湖氷・河川氷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 14:10 UTC 版)
氷は季節的な冷却によって河川や湖にも形成される。形成される氷体の大きさはあまりにも小さいので、局所的な気候以上に影響を及ぼすことはない。ところが、かなり大きな年々の変化が氷の生成・消滅が起こる期間にみられるように、結氷・解氷する過程は大規模だがしかし局所的な気候要素に対して応答反応を示す。よって湖氷の長期間にわたる観察は気候の記録の代わりにすることができ、結氷・解氷の傾向の観察から、気候の摂動における便利で統一的な、そして季節特有の指標が得られるかもしれない。ただ、河川氷の状態に関する情報は気候を記録する代わりのものとしては湖氷よりあまり使えない。というのも、氷の形状は河川流の状態に大きく依存しているためである。この河川流の状態というのは、直接水路の流量を調節する、あるいは間接的ではあるが土地の使用により流れる水に影響を与えるような、人間の干渉だけではなく、降雨や雪解け、その河川流域を流れる水に影響される。 湖の結氷は湖の貯熱量、すなわちその湖の深さ、あらゆる流入物の速さや温度、水と大気のエネルギー流動に左右される。北極の浅い湖の深さに関するいくつかの指標は、晩冬の航空機搭載レーダー画像(セルマンら 1975)や夏の衛星搭載可視光センサー画像(デュディとラフラー 1997)から得ることができるにもかかわらず、湖の深さに関する情報はしばしば利用できない。解氷の時期は氷の厚さや淡水の流入量のみならず氷の上に積もる雪の厚さによっても変わってくる。
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