海底の比叡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/21 09:34 UTC 版)
2019年(平成31年)1月31日、ポール・アレンが創業したアメリカの調査チームが本艦がガダルカナル島のサボ島北西、水深985mの地点で沈んでいるのを発見した。なお、船体の3分の1にあたる約70mの前方の部分が切断されていたという。これに関して専門家は大きな爆発があったのではないかと見ている。 発見された比叡の船体から沈没状況がかなり絞り込まれた。駆逐艦や軽巡洋艦と違い、堅固な戦艦では被爆被雷による一次爆発で船体の折損は生じない。比叡の船体を折損させたのは弾火薬庫の誘爆による大規模な二次爆発で、比叡の艦首側一番、二番主砲弾火薬庫か装薬庫で誘爆が起きて船体を切断させたと見られる。注水弁が開かれた比叡は右舷側ないし右舷艦尾側への傾斜を大きくして転覆。前部弾火薬庫の誘爆および大爆発は比較的深い水中で起きたもので、海上から比叡の沈没は確認できなかった。戦艦級の主砲塔弾火薬庫の爆発は相当な規模の爆炎や煙を生じ、ある程度離れた状態でも視認は困難ではないが、日本側だけでなく、比叡を空襲し、空から見ていたアメリカ軍も大規模な爆炎や煙を目撃していない。前部弾火薬庫の爆発の原因として、信管や雷管が水圧上昇により誘爆して延焼したもの、転覆によりボイラーに海水が侵入して水蒸気爆発が起こって破壊されたもの、転覆により艦内電源がショートして火災が発生し誘爆したものが考えられる。切断した比叡の艦首部分については、前部主砲弾火薬庫の爆発によって艦橋構造物と共に四散したか、今回の調査時間の都合で発見されなかったと見られる。
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