海外における原子力発電国産化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 07:37 UTC 版)
「国産化率」の記事における「海外における原子力発電国産化」の解説
核開発との関連で原子力発電に早期から積極的であったアメリカ、ソ連、イギリスなどは元々国産化率が高位で推移していた。これに対して、日本同様に海外からの技術導入により原子力発電を進めていった諸国の一つとして、スペインがある。 スペインもまた、アメリカの重電メーカー、GE社とWH社にとって巨大な市場であった。1970年(昭和45年)から1981年(昭和56年)4月までの間に同国に輸出された原子力プラントはGE社が4基、WH社が6基である。WH社の輸出数は日本の2基を上回り韓国への輸出数と同数であり、GE社の輸出先でこれほどの基数に達している国は他には無い(日本は2基であり、その後は国産化が進展したため同型炉でもカウント外となっている)。 桜井淳は『月刊エネルギー』に投稿した記事にて、国産化率から同国の国産化過程を3段階に区分している。 福島第一原子力発電所1号機の炉型選定の際、1年先行しているとして判断材料の参考とされたのはNUCLENOR社のサンタ・マリア・デ・ガローニャ原子力発電所1号機である。同機の他にはホセ・カブレラ原子力発電所1号機、バンデリョス原子力発電所1号機などが第一世代に区分される。これらの国産化率はいずれも40 % 台であることが共通する。サンタ・マリア・デ・ガローニャ1号機を例に、更に詳細に分類すると下記のようになる。 国産化率(建設費ベース):計44.3 %土木作業:12 % 装置製造:19.2 % アセンブリー:6.4 % エンジニアリング:6 % スタッフトレーニング:0.7 % これが、第2世代・第3世代になるとスペインの原子力産業によって賄われる範囲は増大し、60 % から最大で90 % にも及んでいたという。主要コンポーネントの供給を行っているメーカーは同国に約20社程あり、原子炉圧力容器、蒸気発生器、加圧器、原子力用配管、蒸気タービン、復水器など重要なコンポーネントが含まれ、一部は輸出も行われていた。
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