流域における水循環
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/31 19:50 UTC 版)
「水収支#流域における水収支」も参照 流域における水循環の問題は、水文学(水循環を扱う自然地理学の一分野)の重大な関心事である。水文学では、流域水文学 (英語: watershed hydrology) という一つの学問領域が存在する。流域水文学は水資源確保や災害予測などの面から社会のニーズも高い。ただし、気候・地形・植生・土壌・土地利用・水利用といった自然の作用から人間活動まで幅広く考慮する必要があるので、メカニズムの解明に向けた研究が本格化してきたのは、1970年代以降と比較的最近のことである。研究が可能になった背景には同位体分析の発展が挙げられる。 流域は3次元構造を有し、降水による水の流入と蒸発散・河川流による水の流出、そして、地下水や土壌水としての貯留の3つの水の動きが考えられる。この関係を水収支式で記述すると次のようになる。 P − E t − R = d S d t {\displaystyle P-E_{t}-R={\frac {dS}{dt}}} ここで Pは降水量、 E t {\displaystyle E_{t}} は蒸発散量、Rは流出量、 d S d t {\displaystyle {\frac {dS}{dt}}} は貯留量変化を表す。また、流域は時間成分 tを有するため、4次元で検討する必要がある。また、通常は単位に水柱高 (water height)、すなわち、降水量等の値を流域面積で割ったものを使用する。 検討する水収支の期間 tを1年とした場合、貯留量変化 d S d t {\displaystyle {\frac {dS}{dt}}} は一般に 0と考えてよい。
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