派遣村と生活保護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 00:08 UTC 版)
2008年9月、リーマンショックが発生し、雇用失業情勢の悪化に伴い行われた内定取り消し、派遣労働者や自動車工場の期間工など非正規労働者の雇い止め等が話題になる中、同年12月に厚生労働省前の日比谷公園で、市民ボランティアらが仕事と住居を失った人々を対象に、宿泊所の提供や炊き出し等の支援を行う、いわゆる「年越し派遣村」が開設された。失業により生活困窮者が増加するとみられ、「生活に困窮する方々を早期に発見し、本人の事情や状況に応じた支援を関係機関と連携して迅速に実施した」ため、翌2009年3月に厚生労働省社会・援護局保護課長により「職や住まいを失った方々への支援の徹底について」(社援保発0318001号、平21.3.18)が通知された。 2009年8月30日に実施された第45回衆議院議員総選挙の結果、自公連立政権から民社国連立政権への政権交代が行われた。同年末には日本国政府と東京都により「年末年始の生活総合相談」(いわゆる「公設派遣村」)が実施され、国の大規模宿泊施設利用者数は860名、生活保護受給が決定した者は482名となった。同年12月、厚生労働省社会・援護局保護課長により「失業等により生活に困窮する方々への支援の留意事項について」(社援保発1225第1号、平21.12.25)が通知された。本通知は同年3月に出された通知等の趣旨を踏まえつつ、「速やかな保護決定」「住まいを失った申請者等に対する居宅の支援確保」等について「留意し、効果的で実効ある生活保護制度の運用に努め」ることを促すものである。 「派遣村」に関する一連の報道、及び厚生労働省の対応は、生活保護を受けることへの抵抗感を弱め、受給者増の一因になったとの見方もある。2012年2月現在、生活保護受給者は過去最多を記録している。 厚生労働省によると、2010年度に申請された生活保護のうち、96%が受給を認められている。
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