派生要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 01:31 UTC 版)
Qアノンは、歴史家のリチャード・ホフスタッターが「アメリカ政治におけるパラノイド・スタイル(英語版)」と呼んでいる現象として理解するのが最も良い可能性がある。彼は同名のエッセイを1964年に著しており、そこでは宗教的至福千年説と終末論について解説されている。Qアノンは「嵐」(創世記での洪水の物語や審判の日)や「大いなる覚醒」といったキリスト教的な表現を用いており、18世紀初頭から20世紀後半にかけての歴史的・宗教的な大覚醒を想起させるものとなっている。Qアノンに関するある動画は、トランプと「カバール」(陰謀の首謀者であるとされている秘密結社の名前、ディープ・ステートと呼ばれることもある)の間で繰り広げられている戦いは「聖書的」であり、「地球のための戦い、善対悪の戦い」であるとしている。Qアノン信者の中には、差し迫っているとされる報復の日は我々が知るような世界の終わりではなく、新たな始まりであり、生き残った人々のために地上に救いと楽園がもたらされる「逆の携挙」であると述べている人もいる。 キリスト教の牧師の中には、自分の信徒にQアノンを紹介している人もいており、少なくとも一人の牧師が、Qアノンとキリスト教を組み合わせた考えを広めている。 Qアノンは、発生から1年足らずで一般の人々に大きく認知されるようになった。2018年8月の『ワシントン・ポスト』紙に掲載されたクアルトリクスの世論調査によると、フロリダ州民の58%がQアノンに関する見解を持つほどQアノンに精通していた。なお、見解を持っていた人のうち、ほとんどの人は好ましくないと回答している。フィーリング・サーモメーターの平均スコアは20点ほどで、非常にネガティブな評価であり、他の政治家によるスコアの約半分であった。Qアノンに対する肯定的な感情は、陰謀論的思考に高い受容性を持つことと強い相関があることが判明した。 ピュー研究所による2020年3月の調査によると、アメリカ人の76%がQアノンについて聞いたことがないと回答し、20%が「少し聞いたことがある」と回答し、3%が「よく聞いたことがある」と回答した。同年9月に行われたピュー研究所の調査では、Qアノンについて聞いたことがあると回答した47%の回答者のうち、共和党員および共和党支持者の41%がQアノンはアメリカにとって良いことだと考えているのに対し、民主党員および民主党支持者は7%がQアノンはアメリカにとって良いことだと考えていることが判明した。 2020年10月に行われたYahooのYouGovによる世論調査では、Qアノンのことを知らなくても、共和党員とトランプ支持者の大多数は、民主党の幹部は児童売春組織に関与していると考えており、トランプ支持者の半数以上が、自分はそのような組織の解体に取り組んでいると考えていることが判明した。
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