法則の詳細
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/25 14:41 UTC 版)
「ティティウス・ボーデの法則」の記事における「法則の詳細」の解説
法則該当天体n距離 / au名称-∞0.40.39 水星 00.70.72 金星 11.01.00 地球 21.61.52 火星 32.82.77 ケレス 45.25.20 木星 510.09.54 土星 619.619.19 天王星 738.830.06 海王星 39.44 冥王星 877.267.71 エリス * エリスは参考 当時知られていた太陽系の6つの惑星(水星、金星、地球、火星、木星、土星)の軌道長半径(太陽からの平均的な距離)a は a / AU = 0.4 + 0.3 × 2n で表せる。ここで、水星は n= –∞、金星は n=0、地球は n=1、火星は n=2、木星は n=4、土星は n=5 である。距離 a の単位は天文単位(au)である。 この法則の提唱後、1781年に天王星が発見され、その距離が n=6 の場合に良く合っていたため、法則の信憑性が高まった。そのため、空席である n=3 に該当する天体の探索が行われた。その結果、1801年に小惑星ケレスが発見された。その後、この n=3 に当たる距離には多数の小惑星が存在していることが判明したが、惑星に相当する天体を発見するには至らなかった。そのため、過去には n=3 の位置にも惑星が存在し、その惑星が破壊された破片が小惑星帯になった、という説も唱えられたが、小惑星帯の小惑星の質量をすべて集めても惑星ほどの質量にはならないこと、一度惑星になると重力エネルギーの解放で高温となり熱変性を受けるが小惑星のスペクトルは炭素質コンドライト(熱変性を受けていない隕石)に近いものが多いことなどから、むしろ、木星の重力で集積が妨害されたために惑星になれず微惑星のまま残ったものだと考えられている。 その後1846年に発見された海王星は n=7 から予想される38.8天文単位から大きくずれた平均距離30.1天文単位のほぼ円軌道であることが判明したため、法則の信憑性について疑問の声があがった。むしろ、冥王星のほうが平均距離39.5天文単位で、n=7 に当てはまっている。余談だが、当初ジョン・クーチ・アダムスが摂動から新惑星の軌道を試算した際、n=7 への合致を仮定すると離心率が0.16と大きくなり、これは皮肉にも海王星より冥王星の軌道に似ていた。結局アダムスはティティウス・ボーデの法則による制限を見直すことにして、当初よりは小さな離心率を予測しなおすことができた。
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