沢瑠璃草とは? わかりやすく解説

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さわ‐るりそう〔さはルリサウ〕【沢瑠璃草】

読み方:さわるりそう

ムラサキ科多年草山地木陰生え、高さ3050センチ。夏、るり色の花を総状につける


サワルリソウ

(沢瑠璃草 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/30 13:47 UTC 版)

サワルリソウ
福島県阿武隈山地 2022年6月中旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: ムラサキ目 Boraginales
: ムラサキ科 Boraginaceae
亜科 : ムラサキ亜科 Boraginoideae
: サワルリソウ属 Ancistrocarya
: サワルリソウ A. japonica
学名
Ancistrocarya japonica Maxim. (1872)[1]
和名
サワルリソウ(沢瑠璃草)[2]

サワルリソウ(沢瑠璃草、学名:Ancistrocarya japonica)は、ムラサキ科サワルリソウ属多年草。一属一種[2][3][4][5]

特徴

地下茎は肥厚し、短く這って分枝する。は直立し、高さ50-80cmになり、短く硬い圧毛が生える。は茎の中部に集まって互生し、葉身は長楕円形で、長さ10-20cm、幅3-7cm、先端はとがり、基部はしだいに狭くなってごく短い葉柄につづき、縁は全縁となる。葉の裏面に圧毛が生え、光沢があり、葉脈の主脈は隆起し、側脈は5-7対になる[2][3][4][5]

花期は5-6月。茎の先に、まばらに分枝した、一方の側にのみ向いた、先が巻いた巻散花序(さそり形花序)をだし、しだいに成長して長い総状になり、下から上に順々に開花していく。には短い柄があり、花序の下部にのみ苞がある。は緑色で5深裂し、裂片は細く先がとがり、毛が生える。花冠は淡青紫色から白色、長さ10-13mm、筒状鐘形で先は5裂して平開し、裂片は卵状楕円形になり、花冠喉部に付属体はない。雄蕊は5個あり、花冠内部につき、花糸は短い。果実は4個の分果からなるが、1-2個のみ成熟し、成熟した分果は、灰白色で滑らかな楕円状卵形体になり、先が嘴状に長く伸びて鉤状に曲がる[2][3][4][5]

分布と生育環境

日本固有種[6]。本州(岩手県以南)、四国、九州の太平洋側に分布し、山地の木陰に生育する[2][4][5]

名前の由来

和名サワルリソウは、「沢瑠璃草」の意で、谷川のほとりなどやや湿った場所に生えるルリソウの仲間の意味。ルリソウは同じムラサキ科の別属ルリソウ属の種である[5]

属名 Ancistrocarya は、ギリシア語で ancistron + caryon、「鈎」+「堅果」の意味で、果実の先端が釣針のように屈曲していることによる[7]種小名(種形容語)japonica は、「日本の」の意味[8]

種の保全状況評価

国(環境省)のレッドデータブックレッドリストでの選定はない。都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は次の通り[9][10]。岩手県-Aランク、宮城県-絶滅危惧IA類(CR+EN)、福島県-絶滅危惧IB類(EN)、茨城県-絶滅危惧IB類、栃木県-絶滅危惧II類(Bランク)、群馬県-絶滅危惧IB類(EN)、埼玉県-絶滅危惧I類(CE)、千葉県-最重要保護生物(A)、東京都-絶滅危惧IA類(CR)、神奈川県-絶滅危惧II類(VU)、山梨県-絶滅危惧IB類(EN)、長野県-準絶滅危惧(NT)、三重県-絶滅危惧IB類(EN)、京都府-絶滅危惧種、大阪府-準絶滅危惧、兵庫県-Aランク、奈良県-絶滅危惧種、和歌山県-絶滅危惧IA類(CR)、島根県-絶滅危惧II類(VU)、岡山県-準絶滅危惧、山口県-絶滅危惧IA類(CR)、徳島県-準絶滅危惧(NT)。

ギャラリー

下位分類

シロバナサワルリソウ(学名:Ancistrocarya japonica Maxim. f. albiflora (Honda) H.Hara (1949)[11])- 白花のものを品種として区分することがある。はじめ、var. albiflora Honda (1935) として変種として区分していた。タイプ標本栃木県塩谷郡栗山村(現:日光市)産のもの[11][12]

脚注

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  1. ^ サワルリソウ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.383
  3. ^ a b c 村田源 (1981)『日本の野生植物 草本III 合弁花類』「ムラサキ科」p.64
  4. ^ a b c d 米倉浩二 (2017)『改訂新版 日本の野生植物 5』「ムラサキ科」p.52
  5. ^ a b c d e 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1017
  6. ^ 『日本の固有植物』p.120
  7. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1449
  8. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1498
  9. ^ サワルリソウ、日本のレッドデータ検索システム、2022年10月29日閲覧
  10. ^ サワルリソウ、兵庫県版レッドデータブック2020(植物・植物群落)
  11. ^ a b シロバナサワルリソウ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  12. ^ M.Honda, Nuntia ad Floram Japoniæ XXV, The botanical magazine, 『植物学雑誌』、Vol.49, No.587, p.790, (1935)

参考文献

  • 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本III 合弁花類』、1981年、平凡社
  • 加藤雅啓・海老原淳編著『日本の固有植物』、2011年、東海大学出版会
  • 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
  • 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 5』、2017年、平凡社
  • 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  • 日本のレッドデータ検索システム
  • サワルリソウ、兵庫県版レッドデータブック2020(植物・植物群落)
  • M.Honda, Nuntia ad Floram Japoniæ XXV, The botanical magazine, 『植物学雑誌』、Vol.49, No.587, p.790, (1935)

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