汚水池と汚水処理井戸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 05:58 UTC 版)
「ロッキーマウンテン兵器工場」の記事における「汚水池と汚水処理井戸」の解説
F汚水池(Basin F Wastepile)は、1956年にアメリカ陸軍によって作成されたすり鉢状の廃液処理施設である。軍と施設を利用する民間企業から出る廃液の処分に利用された。盆地の内側は厚さ約3/8インチのアスファルトで覆った上に12インチの保護土で覆われていた。最大貯蓄量は2億4,300万ガロンにもなった。水が自然蒸発するにつれて有毒成分が濃縮され周囲に異臭を放つようになり周囲の民家にまで悪臭が漂うようになり環境が悪化していった。軍は地元住民に空気清浄剤を配付した。コロラド州健康管理部と毒性物質登録管理局などが調査を行い悪臭の原因となる化学物質を特定して重大な健康被害が無いことを宣言した。 汚水池の廃液処分のために1961年に深さ12,045フィート(3,671m)にもなる汚水処理用の井戸を掘り、56万8千ガロンの水を注入し地下水汚染などの影響が無いことを確認した。その後廃液処理のために作られた汚水池の廃液を圧力注入し2,150mの深さまで廃液で埋まった。廃液は地下2,000メートル以下の地盤へ注入され、廃液が地下水に達する可能性は極わずかであると言われている。1962年の春頃から廃液の注入作業を行っている間、一ヶ月に数十回から多いときで60回以上も地震が発生した。軍は地震と廃液注入の因果関係は認めなかったが、1966年2月に井戸の使用を禁止した。この地震はデンバー地震と呼ばれ地質学的にも因果関係が研究されている。 井戸は廃液を注入したまま20年あまりも放置された後、1985年に穴を埋て永久に封印された。 1998年12月に処理の完了が宣言された。 廃液処理の総経費は約4,500万ドルであった。
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