汚泥の処理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 04:43 UTC 版)
下水処理に伴い多量の汚泥が発生する。ロンドン条約批准により日本国内でも廃棄物処理法が改正された。2007年4月から公共下水道から除去した汚泥の海洋投入処分が全面禁止になり、現在では下水汚泥の全量が陸上処理されている。 多くの下水汚泥が産業廃棄物として埋め立て処分されているが、埋め立て用の最終処分場が不足してきており、多くの産業廃棄物の不法投棄事件の投棄物中に下水汚泥が見られる。 対策として、固形燃料化や溶融スラグ化が行われているが、多額の建設費と維持管理費が必要であり、一部の大都市でしか進んでいない。また、製造されるブロック等の製品も強度など品質上の問題があり、有効利用はあまり進んでいない。近年、焼却灰をコンクリート原料である砂の代替品として利用する、セメント原料としてのリサイクル率が向上している。 下水汚泥は、多量の肥料成分を含んでおり、コンポスト化などによる堆肥等への有効利用が最も安価で簡単な方法であるが、日本では肥料の品質の確保等に関する法律における有害金属含有量基準が厳しく、工場排水などを多く取り込んでいる場合は難しい。 このほか、下水汚泥に含まれる有機物を発酵させて、バイオマス燃料となるメタンガスを取り出し、固定価格買取制度を利用した消化ガス発電や、汚泥を減量化する取り組みが広がっている。
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