武器としての鎌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 04:05 UTC 版)
ギリシア神話においては、月鎌であるハルパーはクロノスやヘルメースやペルセウスの武器である。また大鎌は死神の武器として有名。 鎌は農民の道具として不可欠であり支配者が所持を禁ずることが出来ないため、洋の東西を問わず農民の反乱・一揆などで刀剣を持たない農民が臨時の武器として用いた。その直線的でない形状は体制側の戦士が白兵戦用に持つ剣・刀・槍を受けるのに便利であると考え、急場の武器としてではなく日常からそれを使いこなすための訓練を行なう者も現れた。そうした武器として「二丁鎌術」などがあり、またさらに生まれた変化形として鎖鎌(鎖鎌術)も生まれた。 ヨーロッパの武器としての鎌は、堅固な鎧の隙間を突くため、また盾の上面を超えて刺突を加えるために、50cmから1mの柄と直角に、10cmほどの直刃を取り付けた。大鎌では、16世紀の武術・武器マニアであったパウルス・ヘクトル・マイアーが著した兵法書『Arte De Athletica』等に以下の戦闘例が残っている。 大鎌を使った戦闘例 大鎌を使った戦闘例2 鎌を使った戦闘例 だが、実戦では役に立たないとする意見もある。武器としての鎌はその形状から突く、切る、と言った攻撃が薙鎌などの一部の長柄以外出来ないこと、薙ぐ場合も手前に引く動作が必要となるために、手の届く距離の半分程度しか有効間合いにならない、突き立てるように使う場合も射程が致命的に短いことが欠点としてあげられる。日常の道具として生まれた鎌では戦闘のためだけに特化された剣や槍には勝てないとされる。 忍者が城壁を登ったりする時鎌に似た道具を使うために鎌=忍者のイメージもあるが、実際の忍者が鎌を振り回して戦うことはない。 武器としての沖縄の鎌 武器の所持が禁止された琉球で発展した武術である。鎌術という。琉球古武術では刃の付いた鎌は畑を耕す鍬と同様、武具として位置付けられ、「当山の二丁鎌」、「鐘川の二丁鎌(小)」、「鐘川の二丁鎌(大)」の3種類があり、日本本土では琉球古武術保存振興会、沖縄では琉球古武道保存振興会、琉球古武道保存会により保存されている。 鎌状の武器 ギリシャでは、トラキア人やダキア人がラテン語で鎌を意味するファルクス(英語版)という武器を使用した。 鈎 (中国の武器) ハルバート Trumbash(英語版) -コンゴ民主共和国に住むマングベツ族の鎌状の投げナイフ・通貨 ククリ サイスソード(英語版)
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