機関・発電機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/10 22:19 UTC 版)
新田丸級貨客船の機関はディーゼル機関ではなく、三菱ツェリー式2気筒2段減速装置付きタービン機関となった。建造の時点で有事の際の空母への改装を予定していたためであるが、大型外航客船へのタービン機関搭載はカナダ太平洋汽船(英語版)の「エンプレス・オブ・ジャパン(英語版)」(26,032トン)の例がある。また、2万馬力以上の出力を出すにはタービン機関、というのが当時の常識で、機関室スペースの減少に伴う客室配置設計の容易さというメリットもあった。タービン機関といっても、例えばボイラー一つをとってみても技術革新の結果で、従前のものより65パーセントの重量軽減が図られている。それにともない、燃料消費量、騒音および煤煙も減少した。三菱ツェリー式タービン機関は、のちの空母改装時にもそのまま搭載されたが、最大速力22ノットが足かせとなって運用法が限定されることとなった。 付属機械はおおむね電化され、発電機は直流、交流の双方が搭載されたが、これも商船としては最初の試みであった。その発電量は、フル稼働すれば人口7万から8万の都市、あるいは当時の水戸市の電力需要を十分にまかなえるほどのものであった。
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