パワーバージ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/30 10:16 UTC 版)
パワーバージ (power barge) は、艀(Barge)に大容量の発電セット(内燃機関+発電機)を搭載した移動式発電所。港湾などに停泊させ、近隣の需要施設へ給電する。
自力航行できる発電施設の場合は、発電船、パワーシップと区別する。
概要
第二次世界大戦中、アメリカ軍において機動性のある発電施設が求められたことから、ゼネラル・エレクトリック社が開発。以降、軍需用に製造、ストックが行われている。また、民生用としても自然災害や急激な経済発展に伴い、電力供給不足が生じる地域には、脆弱なインフラストラクチャーを一時的に補完する有効な施設であり、フィリピンなど海洋や大河川に面した途上国でも用いられている[1]。原動機はディーゼルエンジンが一般的であったが、ガスタービンエンジンも数を増やしつつある。
ロシアでは、浮上式の原子力発電所が稼働している(詳細は水上原子力発電所を参照のこと)[2]。
パワーパージの例
- SS Jacona (1918) - 1918年に第一次世界大戦用の貨物船として大量生産されたDesign 1014 shipの1隻。戦後は、利用価値がなくジェームズ川に係留されていたが、1930年11月15日に世界初のパワーバージとして稼働を開始した[3]。アメリカだけでなく、タグボートに曳かれて韓国の釜山や沖縄で電力を供給した[2]。
出典等
- ^ ミンダナオ島で新たな発電所停止、電力また悪化か(NNA.News 2010年4月6日)
- ^ a b Kaneko, Hitoshi (2020-09-01). “船舶および浮体型発電Plantからの陸上給電に関する動向” (英語). マリンエンジニアリング 55 (5): 548–552. doi:10.5988/jime.55.548. ISSN 1346-1427 .
- ^ Kane, Joseph Nathan (1969).『Famous First Facts.』 H. W. Wilson Company. p220.
関連項目
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