樹勢と治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 15:42 UTC 版)
本樹は、昭和時代の末期ごろまでに落雷による被害を度々受けた影響で、枝の先から地上付近にかけて創傷と腐朽が発生しており、また暴風雨による枝などの折損や腐朽のほか、踏圧(人や車両が樹木根元の土壌を踏み固めること)などの被害を受けた。1986年(昭和61年)には、本樹の周囲に大イチョウ公園を整備するために長さ70メートル、幅10メートルの範囲が重機で整地された。本樹の西側に真砂土が盛られ、東側に砕石が敷かれ、南側は切土が行われた。この工事により樹根が損傷を受けたとみられる。こうしたことから樹勢が衰退していたため、佐用町は日本樹木医会に樹勢の回復を依頼した。 1992年(平成4年)に診断が行われ、1993年(平成5年)から翌1994年(平成6年)にかけてモルタルなどを用いた治療が施工された。その後10年以上が経過しモルタルにひび割れが発生したため、2009年(平成21年)に再度治療が行われた。このときはモルタルの除去と創傷部への保護剤の塗布、枝部への殺菌剤の塗布、腐朽した部分の削除および殺菌剤の塗布、創傷の大きい部分への軽量モルタルの充填と合成樹脂の塗布などが行われたほか、土壌の改良のために樹木の周囲約150平方メートルの土壌の深さ0.3メートルまでの部分にパーライトや真砂土、牛糞堆肥が混ぜ込まれた。治療の結果、樹勢は回復し旺盛になった。
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