標準的な寸法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 22:46 UTC 版)
身丈(みたけ) 肩山から裾までの上下方向の長さ。男性用の長着では着丈と同寸で、身長から頭部を減じた寸法となる。女性用では一般に、腰の位置で身頃を折り畳んでおはしょりを作って裾を上げるため、その分着丈より長くなり、一般には身長と同寸とする。 着丈(きたけ) 着たときの上下方向の長さ。 裄丈(ゆきたけ) 単に裄(ゆき)ともいう。背中心から袖口までの長さ。肩幅と袖幅を足した長さが裄丈となる。 衽下り(おくみさがり) 肩山と衿の接点と剣先を結んだ線を長辺とする直角三角形の高さ。女性用は23cm程度。 肩幅(かたはば) 背中心から袖付けまでの長さ。両肩の幅を指す洋服における肩幅とは異なる。女性用では通常30cmから32cmくらいで、肩幅を約2倍すると左の肩から右の肩までの長さよりも長くなる。 繰越(くりこし) 左右の肩山の中心点から襟の後ろまでの長さ。女性用の和服においては、衿の後ろを背中へ向かって少しずらした位置になるように着るために、肩山と衿肩あきに余裕を持たせるが、その寸法およびその部分のこと。女性用の長着の繰越は、通常2cmから3cmくらいである。男性用や子供用には基本的に作らない。 袖口(そでぐち) 袖口の長さ。袖口明(そでくちあき)ともいう。袖口の長さは、円周の半分で表現される。袖口下を全く縫わない場合(広袖)は、袖口の長さは袖丈の長さと同じになる(お宮参りの「掛け着」などに見られる大名袖がその代表)。女性用では通常20cmから23cmくらいである。 袖丈(そでたけ) 袖山から袖下までの長さ。振袖以外の女性用長着の袖丈は、年齢や好みにもよるが、通常49cmから51cmくらいである。 袖付(そでつけ) 袖と身頃を縫い合わせる部分およびその寸法。肩山から身体の前方向へ向かって測った長さを「前袖付」、後ろ方向へ向かって測った長さを「後袖付」という。一般的には前後袖付寸法は同じであるが、好みや体格により「付け違え」と言って前後で寸法を変えることも行われる。女性用の長着の袖付は通常23cmくらいだが、帯を胸の高い位置で締める場合は、もっと短くする。男性用の長着の袖付は、通常40cmくらいで女性物よりも長い。これは女性に比べて帯が細く、また腹の下部で締めるためである。 袖幅(そではば) 袖付から袖口までの袖の幅のこと。肩幅と袖幅を足した長さは裄丈である。洋服の袖丈にあたる。女性用では通常33cmから34cmくらいである。 抱幅(だきはば) 身八つ口から衽付けまでの幅のこと。
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