様々な種類の狐
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 03:43 UTC 版)
野狐(やこ) いわゆる野良の狐。中国では仙狐を目指し修行するための試験に合格していない狐を指す場合もある。日本では、人間に対して悪事やいたずらをする狐全般をさして野狐という呼び方が用いられてもいる。九州では憑き物の一種とされ野狐持ちの人物と仲の悪い者について害をなすといわれる。禅宗ではいまだ悟りを得たという確証がないのに、慢心から悟ったとする禅を野狐禅という。 仙狐(せんこ) 中国における狐の妖怪のひとつ。仙術を修行・獲得した狐たちをさす。 白狐(びゃっこ、はくこ) 白い毛色を持つ。日本では、安倍晴明の母親とされている葛の葉や、狂言『釣狐』の題材となったとされる白蔵主などが有名。稲荷神の眷属である狐も、ほとんどが白狐である。人々に幸福をもたらすとされる。「狐ものがたり」では善狐の1種族としても挙げられている。 九尾狐(きゅうびこ)・九尾の狐(きゅうびのきつね) 中国では瑞獣のひとつであるとされている。『封神演義』の妲己や『三国妖狐伝』の玉藻前などの正体であるとされることから、江戸時代以後は強大な妖力を持った妖狐として語られることが多い。 八尾狐 江戸時代に春日局が書いたとされる『東照大権現祝詞』に、「三代将軍徳川家光の夢に八尾の狐が現われ、患っていた病が治る旨を告げて去っていった」こと、家光が絵に描かせた事がつづられている。長らく絵は不明であったが、2015年に京都府内の個人宅で幕府御用絵師狩野探幽作『八尾狐図(やおのきつねず)』が発見された。 金狐(きんこ)、銀狐(ぎんこ)、黒狐(こくこ) 「狐ものがたり」(『宮川舎漫筆』収録)に説かれている善狐のうちの種族として名前が挙げられている。同文では善狐の種族には天狐・金狐・銀狐・白狐・黒狐の5種が存在しているとされている。
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