構成要素: 実体、関連、属性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 03:15 UTC 版)
「実体関連モデル」の記事における「構成要素: 実体、関連、属性」の解説
実体は、独立した存在として認識され、一意に識別されるものと定義できる。実体とは、ある領域の複雑さから抽象したものである。実体は、実世界のある面だけを取り出し、他の面を捨象したものである。 実体は家や自動車といった物理的な物体ということもあるし、住宅販売や自動車サービスといったイベントということもあるし、客単価や注文といった概念ということもある。実体という用語はよく使われるが、チェンによれば「実体」と「実体型」を明確に区別すべきである。実体型はカテゴリである。そして実体は、厳密にいえば1つの実体型のインスタンスである。1つの実体型には多数のインスタンスが存在するのが普通である。しかし、「実体」という用語で実体型も指すような使い方をすることが多い。 実体は名詞に対応すると考えることができる。例えば、コンピュータ、従業員、楽曲、数学的定理といった名詞である。 関連は2つの実体間の関係を捉えたものである。関連は2つ以上の名詞句を結び付ける動詞に対応すると考えることができる。例えば、企業とコンピュータの間の「所有する」という関連、従業員と部門の間の「監督する」という関連、アーティストと楽曲の間の「演奏するという関連、数学者と定理の間の「証明した」という関連などである。 このような言語的側面を利用したのが宣言型データベースクエリ言語 ERROLであり、自然言語の構成を真似ている。ERROLの意味論と実装は実体関連モデルの言語的側面を捉えた関係代数の一種「reshaped relational algebra」 (RRA)に基づいている。 実体と関連はどちらも属性 (attribute) を持つことができる。例えば、「従業員」という実体は「社会保障番号」(SSN) という属性を持つことがある。また、「証明した」という関連は(証明した)「日付」という属性を持つことがある。 全ての実体は(弱実体(英語版)でない限り)、一意に識別可能な最低限の属性集合を持たなければならない。この属性の集合を実体の主キーと呼ぶ。 実体関連図はインスタンスとしての実体やインスタンス間の関連を表したものではなく、むしろ実体の集合と関連の集合を表したものである。例えば、ある特定の楽曲はインスタンスとしての実体であり、データベース内の全ての楽曲が実体の集合である。子どもと昼食の間に「食べた」という関連があるとき、データベース内の全ての「食べた」関連が関連の集合である。言い換えれば、関連の集合は数学における関係に対応し、個々の関連はその関係の個数に対応して存在する。 関連の集合上に濃度制約(英語版)が設けられることもある。
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