核酸の化学構造と塩基配列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 05:07 UTC 版)
「塩基配列」の記事における「核酸の化学構造と塩基配列」の解説
核酸は、モノマーであるヌクレオチドが、直鎖状に多数接続してできたポリマーである。ヌクレオチドには、通称"塩基"と呼ばれる有機塩基(プリン塩基またはピリミジン塩基)が結合している。塩基は、DNAではアデニン (A) 、グアニン (G) 、チミン (T) 、シトシン (C) の4種類があり、RNAでは、チミンのかわりにウラシル (U) になる(括弧内は、各塩基の一文字略称である)。ヌクレオチドがポリマーを作るときには方向性があり、ヌクレオチドを構成するリボースの5員環の炭素の位置で、5'炭素と3'炭素がリン酸基を介してエステル結合し伸張するので、塩基配列を記述するときもそれに合わせ、核酸の5'側端から3'側端の方向に記述する。DNA の場合、一文字略称で表すと、例えば"GAATTC"のように端から順に塩基を記述できる。 二重らせん(螺旋)構造の対になるのはA-T(あるいはA-U、2本の水素結合)とG-C(3本の水素結合)の結合のみである。一方、同じ螺旋上ではA,T,G,Cの各塩基が様々な順列で配列している。この各塩基の順列がさまざまな性質をもたらすと考えられるが、短い塩基配列を見る限りでは塩基の出現法則は必ずしも明確ではない。一方、領域によって塩基の出現頻度に偏りが見られることもある。
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