株主とガバナンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/30 13:31 UTC 版)
2017年にはスノープスの所有と経営の分離に関わる2件の訴訟が起きた。その発端はマイケルソン夫妻の離婚にある。2014年には共同創設者のバーバラ・マイケルソンがスノープスに記事を投稿しておらず、この間デヴィッド・マイケルソンは別のスタッフを採用してオンラインフォーラムの管理を行っていた。この事実が明るみに出た後の2015年にマイケルソン夫妻の離婚が成立した。これに伴い、2016年7月にバーバラはバーダヴの株式50% (バーバラの保有分全て) を総額360万米ドルで売却した。売却先はウェブ開発、ホスティングおよび広告支援をスノープスに提供していたプロパーメディア (Proper Media) の経営陣5名である。法人としてのプロパーメディアではなく経営陣個人が株式を取得した理由は、バーダヴのいわゆるS法人格 (S corporation status) にある。S法人は、法人税と株主配当の所得税の二重課税が免除される代わりに、プローパーメディアのような一般的なC法人がS法人の株主になるのを禁じられている ためである。 スノープスの主たる収入源はウェブ広告であり、2015年8月以降は広告収入のうち月額8万5000ドルはスノープスが確保し、残額を5割ずつスノープスとプロパーメディアで按分するレベニューシェアで運営されていた。しかしプロパーメディアが他のサービス提供者と比較して割高であることを理由に、2017年3月9日デヴィッド・マイケルソンがプロパーメディアとの業務契約を打ち切ることを事前通告した。これに対抗するためプロパーメディアはスノープス側への広告収入支払を停止し、同年5月にはスノープスの運営会社バーダヴおよびデヴィッド・マイケルソンを相手にカリフォルニア州サンディエゴの上級裁判所に提訴した。原告プロパーメディア側はデヴィッド・マイケルソンがバーダヴの取締役として不適格だと主張し、一方の被告スノープス側はデヴィッド・マイケルソンが唯一の取締役として業務契約先を自由に選ぶことができると反訴した。同年8月、プロパーメディアは敗訴し、バーダヴ側への広告収入の支払が命じられた。なお、提訴から判決までの間のキャッシュフローを維持するため、スノープスは同年7月24日、クラウドファンディングのGoFundMe上で資金調達を開始した。調達キャンペーン開始24時間後には目標額の50万ドルに達した。 プロパーメディア側の株主5名のうち少数株主2名はこの訴訟問題の前後、プロパーメディアを退社してスノープスに参画したため、2017年3月以降はスノープス側がバーダヴ株の過半数を確保している。 バーダブの株式保有を巡るスノープス側 (S) とプロパーメディア側 (P) の構成変動2016年7月まで2016年7月以降2017年8月時点S: デヴィッド・マイケルソン (50%) S: デヴィッド・マイケルソン (50%) S: デヴィッド・マイケルソン (50%) S: バーバラ・マイケルソン (50%) P: クリストファー・リッチモンド (20%) S: ヴィンセント・グリーン (3.3%) P: ドリュー・ショーントラップ (20%) S: ライアン・ミラー (3.3%) P: ヴィンセント・グリーン (3.3%) P: クリストファー・リッチモンド (20%) P: ライアン・ミラー (3.3%) P: ドリュー・ショーントラップ (20%) P: タイラー・ダン (3.3%) P: タイラー・ダン (3.3%)
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