柏書房によるコレクション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 00:08 UTC 版)
「横溝正史」の記事における「柏書房によるコレクション」の解説
柏書房は2017 - 2018年に『横溝正史ミステリ短篇コレクション』6巻、2018 - 2019年に『由利・三津木探偵小説集成』4巻、2021年に『横溝正史少年小説コレクション』7巻を刊行した。角川文庫収録作品の多くが出版されなくなった状況を受けての刊行であるが、初出または初刊の状態を基準として校訂し直すという方針も強調している。 『横溝正史ミステリ短篇コレクション』は、金田一耕助、由利麟太郎、三津木俊助が登場しない短編作品で、捕物帳などの時代小説でもジュヴナイル作品でもないものを集めている。すなわち、1984年までの角川文庫に収録された作品のうち、 『自選人形佐七捕物帳』に収録された作品 別番号のシリーズに収録されたジュヴナイル作品 金田一または由利&三津木が登場する作品 『びっくり箱殺人事件』『神変稲妻車』『髑髏検校』『女が見ていた』『呪いの塔』 を除いた全作品を、角川文庫と同じ順序(一部に編冊単位の順序が違う部分、ごく一部に編冊内での順序が違う部分がある)に収録し、さらに角川文庫未収録の『湖泥』(金田一耕助登場作品とは別)および『鬼火』の自筆原稿に基づくオリジナル版も収録されている。 『由利・三津木探偵小説集成』は由利麟太郎または三津木俊助が登場する作品を集めている。角川文庫(ジュヴナイル作品以外)に収録された由利&三津木登場作品の全てと、翻案ものという理由で収録されなかった『迷路の三人』 および未完の『神の矢』『模造殺人事件』が収録されており、確認されている全作品(ジュヴナイル作品および『仮面劇場』を長編化する前の原型作品を除く)と考えて良いと思われる。 『横溝正史少年小説コレクション』はジュブナイル作品を集めている。一般にジュブナイル作品は掲載誌が散逸しやすい傾向があり、横溝正史作品についても多数の角川文庫未掲載作品があった。未掲載作品の多くは論創社の『横溝正史探偵小説選』に順次収録されたが、それも含めて再整理し系統的なコレクションとしたものである。初出または初刊を重視する方針から、朝日ソノラマ文庫や角川文庫への収録に際して金田一ものに改稿された作品は当初の由利&三津木登場作品に戻されている。また、掲載誌の休刊により中断し改めて書き直された作品は両方のバージョンを併録するなど、未完作品や未発表作品も積極的に収録している。
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