杉本家住宅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 00:53 UTC 版)
杉本家は1743年(寛保3年)に「奈良屋」の屋号で京都・四条烏丸に呉服商として開業した。現存する杉本家住宅は1870年(明治3年)の建立で、1990年(平成2年)に京都市指定文化財に指定されてから、(財)奈良屋記念杉本家保存会が維持運営にあたっている。2010年(平成22年)には国の重要文化財に指定された。 敷地300坪にわたる京都市最大規模の古い町屋建築であり、江戸時代の大店の構えを残し、祇園祭の際には、「伯牙山」(はくがやま)のお飾り場として、通りに面した「店の間」に、「ご神体」や懸装品が飾られる。9代目当主の秀太郎は、なるべく自然の趣を再現させるべく、庭にワレモコウやフジバカマを育てている。毎年、花ニレや水仙が枯れた後、芽を出すフジバカマは、秋の七草に数えられるが、今では絶滅危惧種となっている。(香りが良いので)昔は陰干しにし、箪笥(たんす)にしまっていたという。杉本自身は以下に述べている。 屋敷地一帯は、平安時代には、関白となった公卿・藤原頼忠の屋敷があった所で、歌人で有名な(息子の)藤原公任も住んでいた。屋敷の真ん前が「矢田寺」という寺で、「平家物語」を語る琵琶法師たちの集合場所だったそうである。だから前の通りは(平安時代には)、琵琶法師や、藤原家の召使(家人)たちが行き来していたんではないか。注意を凝らせば、京都には、まだまだ、「平安時代の匂い」の感じられる物は、ところどころに残っているんじゃないか。 杉本家住宅の旧米蔵では京都女子大学の公開講座などが開催されてきた。老朽化のため米蔵は2017年から改修され、2020年11月に京都女子大学はキャンパスを開設した。2021年度から授業も実施されるほか、学生のゼミ活動、一般向けの催しなどが開かれる。
※この「杉本家住宅」の解説は、「杉本秀太郎」の解説の一部です。
「杉本家住宅」を含む「杉本秀太郎」の記事については、「杉本秀太郎」の概要を参照ください。
- 杉本家住宅のページへのリンク