本塁打の後に走者がベンチ選手と接触
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「肉体的援助」の記事における「本塁打の後に走者がベンチ選手と接触」の解説
2018年10月21日、秋季関東地区高等学校野球大会の第3試合であった常総学院高校(茨城県)対桐蔭学園高校(神奈川県)戦の9回裏を、攻撃側の桐蔭学園はスコア2-5と3点のビハインドで迎えた。桐蔭学園は2四死球と内野安打、さらに常総学院側の失策により1点を奪い、スコア3-5でなお二死満塁とした。そして3番打者の内野手・森敬斗が弾き返した打球が中堅方向のフェンスを越え、本塁打となった。逆転サヨナラ満塁本塁打となる喜びのあまり、桐蔭学園の選手たちはプレイヤーズベンチから本塁付近へ飛び出してきた。一塁走者が三塁を回ったのち本塁を踏む直前(すなわちスコア6-5となって逆転サヨナラ勝利が確定する直前)、ベンチから飛び出してきたうちの一人の控え選手が三塁線上で同走者と抱き合う形で接触し、すぐに離れた。直後に同走者は本塁を踏んで6-5とし、続けて打者走者も本塁を踏んで7-5とした。桐蔭学園の選手たちはスコア7-5で試合が終了したと考えて整列の準備をした。 しかし、ここで常総学院高の菊地壮太捕手(2年)や他の選手たちが、上記の接触行為は肉体的援助にあたる(アウトになり、桐蔭学園の勝利は確定しない)のではないかとの抗議を行った。球場は騒然となり、桐蔭学園の選手には最悪の結果を危惧して涙を流す者もいた。 審判団が協議を行った結果、球審の辰巳忍が「身体的援助にあたりませんので試合終了といたします」と放送し、そのまま桐蔭学園の勝利が認められた。この翌日、関東地区高校野球連盟は公式見解を表明し、「オーバーフェンスのホームラン(ボールデッド)なので、肉体的な援助には当たらないと審判は判断し、球審が場内アナウンスを行った上でゲームセットとした。大会本部から、桐蔭学園に対して試合後、注意をした」と述べた。 後日、週刊ベースボール編集部は次のように考察している。「プロ野球などではホームラン後、ベースコーチと打者がハイタッチをするシーンが当たり前にあるのも、こうした理由で厳しくは追及しないということでしょう。ただし、本来はルールを正しく守るべきで、打者走者がホームインした後に喜ぶべきです。相手校への敬意にも欠きます。」
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