本会議における解散
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 20:28 UTC 版)
解散の伝達は本会議において行われる場合がほとんどである。一連の官邸での手続を終えた詔書の写しと内閣総理大臣からの伝達書は、いわゆる「紫の袱紗」に包まれて内閣総務官により国会内に運ばれ、議長席後方の控え室(議長応接室)にて待機した後、内閣官房長官に手渡される。内閣官房長官は、議長席後方の扉から詔書の写しと伝達書を持って入場し、衆議院事務総長に手渡す。事務総長は中身を確認した後、次第書(朱色のト書きと黒文字の台詞が書いてあるいわば「台本」)を付けて衆議院議長に渡す。衆議院の解散は一切の議事・動議に優先して扱われ、議長は議事を直ちに中止して詔書の朗読を行う。 議長が「ただいま内閣総理大臣から、詔書が発せられた旨伝えられましたから、朗読いたします」と発言すると、議長及び全議員、国会職員が起立する(総員起立)。 議長が「日本国憲法第七条により、衆議院を解散する。」と詔書の文章を読み上げて衆議院の解散を宣言する。 この瞬間に正副議長も含め、全衆議院議員が失職する。 詔書が朗読された直後、衆議院議員が万歳三唱することが慣例となっている。万歳三唱の由来は天皇の国事行為に対する万歳説や前祝説等諸説あり定かではないが帝国議会からの慣例として続く慣習である(#大日本帝国憲法下の衆議院解散)。 議長は、一呼吸置いた後、無言のまま議場を後にする。普通の本会議なら「この際、暫時休憩致します」あるいは「本日はこれにて散会致します」(当日の議事が全部審議され議決され終わった場合)と宣言するところだが(この宣言がないと議員達は議場を退出出来ない)、解散と同時に議長も失職するため、それらを宣言する資格が消滅すると解されているからである。解散後に議場から退出する失職した「前」議員たちに対しても、衛視が敬礼をしなくなる。
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