映画公開と評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/28 01:32 UTC 版)
「日曜日には鼠を殺せ」の記事における「映画公開と評価」の解説
アメリカではペックが、ロンドンとパリではジンネマンがそれぞれ宣伝ツアーを行ったにも関わらず、映画はそれほど大きな反響を呼ばず、制作費を回収できるほど十分な興行収入は得られなかった。ジンネマンは、理由としてスペイン内戦は既に聴衆の記憶から残っていなかったからだろうと語っている。ニューヨーク・タイムズは映画のセットと俳優の演技については高く評価したが、映画の出来そのものについては低く評価するという賛否両論の評価を残した一方、バラエティは概ね高評価を残し、この映画をペックの経歴における「優れた映画」と評した。 映画の反応にはがっかりさせられたが、当然であった。その理由は単純に済まされるものではなかった。 私は当然のことだと思いすぎたのだ。私はスペイン内戦は未だ私達と共に存在すると思っていたが、内戦の難民がいるにも関わらず、どうやら(既に市民の記憶から)死んでいたようだ。フランコ政権とはその他にも問題があった。私はスペインのグアルディア・シビルを「重苦しい」ものとして演じさせることに責任を感じていた。彼らは神聖な牛である。コロンビアは「Pale Horse」のせいで映画でのフランコ禁止令により、大きく苦しむことなったが、彼らは素晴らしいくらいよくやってくれた。 -フレッド・ジンネマン スペイン政府は映画中のヴィニョラスが愛人と共にするシーンや、賄賂を受け取ったシーンに激怒し、コロンビア映画に対してスペインでの配給だけでなく撮影も拒否したため、コロンビア映画はスペインでの配給部門の売却を余儀なくされた。コロンビア映画は、同社がスペイン映画をスペイン国外で配給することに政府が合意するまでの数年間、スペイン市場から締め出された。この映画が公開される数ヵ月前、コロンビア映画の副社長であったM・J・フランコヴィッチは、スペイン政府の意向に反して映画の製作を進めることを決定したため、コロンビアは数百万ドルを失ったと推測した。 オールムービーによれば、映画はアメリカ国内のテレビで放送される予定であったが、スペイン政府の要請により直前になって中止された。 ジンネマンは前年に公開され、この映画の2人の主演俳優が出演しているアラビアのロレンスと比較して、「私は成功させる義務は感じない。成功は危険になる可能性もあるーあなたも分かるはずだ。私は失敗から多くを学んだ。」と反論した。 映画スターの1人であるオマル・シャリーフは、この映画を「良い監督」から生まれた「ひどい映画」であると形容した。
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