日本軍との会議~ウォーデンの計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 08:58 UTC 版)
「戦場にかける橋」の記事における「日本軍との会議~ウォーデンの計画」の解説
数日経ったある日、日英両国の将校による会議が開かれた。その中でイギリス軍は、「日本軍がこれまで行ってきた工事では、建設予定地の地面が軟らか過ぎるため、完成後最初の列車通過で橋が崩落するだろう」と述べた。さらに、「作業の分担をすることで労働力の大幅な改善が見込める」など積極的に意見し、工事の主導権を自らの手中に収めた。 一方、脱出を試みたシアーズは、まだイギリス軍の支配下にあった地域にある軍病院に保護され、悠々自適の生活を送っていた。そこに、316部隊所属のウォーデン少佐が現れた。彼は、かつて日本軍が建設しようとしている鉄道の工事に携わっていたシアーズに、「話を聞きたい」と申し出た。「既に情報局に話をした」と拒むシアーズであったが、最終的に少佐の説得に応じることにする。 翌日シアーズは、ジャングルにある316部隊の本部にウォーデンを訪問。そこは、いわゆる決死隊の本格的な訓練所でもあった。そこでシアーズはウォーデンから、橋の完成後に予想される日本軍のイギリス領インド帝国への進軍を阻止するために、落下傘で降下させた兵士に橋の地上爆破をさせる作戦を打ち明けられた。現地に行った者がいない316部隊にとって、シアーズは道案内役に最適であったのだ。 「命からがら脱出した戦地に再び戻るなど悪い冗談だ」とシアーズは拒んだが、既にアメリカ海軍からシアーズの一時転籍許可の電報が届いていた。シアーズは、船を沈められた時に共に助かった中佐が日本兵に射殺されたため、捕虜になったときの待遇も考えてその服を奪い、身分を偽ったのであって、辞令の出た「シアーズ中佐」など存在しないということを盾に逃れようとするが、ウォーデンの元にはシアーズの履歴書が届いており、既にそのことは織り込み済みだった。ウォーデンは、「収容所から脱出した英雄が階級を詐称していたことが明るみに出るのは海軍にとっても不利益である。しかし、爆破作戦に参加すれば少佐としての待遇をシアーズに約束する」と取引を持ちかける。かくしてシアーズは志願兵として作戦に参加することとなった。
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