日本正教会の聖歌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 23:17 UTC 版)
日本正教会はその成立期である19世紀において、亜使徒聖ニコライを通して同時代のロシア文化を色濃く受け継いだ。その影響は聖歌にも及んでおり、使われている聖歌の多くは19世紀に広くサンクトペテルブルクで歌われていたものである。八調を使用するとともに、作曲されたものではドミトリー・ボルトニャンスキーやアレクサンドル・アルハンゲルスキーのものが多く採用されている。明治時代にの黎明期にはピアノ、チェロの奏者でもあったヤコフ・チハイが聖歌の翻訳・作曲・指導にあたった。日本人で活躍した聖歌指揮者・作曲家としては金須嘉之進がいる。 日本正教会では一部例外を除き、ほとんどの聖歌が日本語に訳され、奉神礼においても教会スラヴ語等ではなく日本語が用いられている。明治時代にニコライとパウェル中井天生によって訳された漢文訓読体の文語であるが、この祈祷文の翻訳にはほとんど変更が加えられていない。 司祭司祷の聖体礼儀は説教の時間を含めずに1時間、主教司祷の聖体礼儀の時間は実に3時間弱にもおよぶが、その間もっぱら無伴奏声楽(ア・カペラ)で祈祷は歌い続けられ、歌唱を伴わない朗読のみで公祈祷が行われることは皆無である(これは、全世界の正教会に共通している)。西方教会の典礼音楽・礼拝音楽に比べて平易な旋律が用いられることが日本正教会では多く、それほど多くない練習時間で歌われることが多いが、他教派と同様、聖歌に対する習熟度と練習の頻度には各地域教会ごとに差がある。
※この「日本正教会の聖歌」の解説は、「キリスト教音楽」の解説の一部です。
「日本正教会の聖歌」を含む「キリスト教音楽」の記事については、「キリスト教音楽」の概要を参照ください。
- 日本正教会の聖歌のページへのリンク