日本国憲法下の権能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 05:28 UTC 版)
詳細は「国事行為」および「天皇の公的行為」を参照 日本国憲法下においては、天皇は「国事に関する行為(国事行為)」のみを行い、国政に関する権能を一切有していない(日本国憲法第4条1項)。次に掲げる国事行為は、すべて内閣の助言と承認のもとに行われる儀礼的・形式的な行為である。 内閣総理大臣の任命(日本国憲法第6条第1項) 最高裁判所長官の任命(第6条第2項) 憲法改正、法律、政令、条約の公布(日本国憲法第7条第1号) 国会の召集(第7条第2号) 衆議院の解散(第7条第3号) 国会議員の総選挙の施行の公示(第7条第4号) なお、ここでいう「総選挙」とは、衆議院議員総選挙のほか参議院議員通常選挙を含んでいる。 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏(認証官)の任免、全権委任状、大使・公使の信任状の認証(第7条第5号) 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権(恩赦)の認証(第7条第6号) 栄典の授与(第7条第7号) 批准書及び法律の定めるその他の外交文書の認証(第7条第8号) 外国の大使及び公使を接受(第7条第9号) 儀式を行う(第7条第10号) なお、本条の「儀式」は天皇が主宰して行う国家的性格を持つ儀式をいう。これに対しては他人が主宰する儀式への参列もこれに含むとする反対説もある。宗教色は排除される。 国事行為の委任(日本国憲法第4条第2項) ただし、国事行為の委任については、国事行為に含まれないとする見方もある。 これらの国事行為に関し、天皇は政治的に責任を負わない(無答責)。ただし、君主無答責とは異なり、天皇の政治的無答責は「象徴」としての地位に内在するものではなく、憲法第3条に定める国事行為についての内閣の責任と憲法第4条に定める政治的諸関係からの厳格な隔離から導き出されるものと解されている。 この他、天皇の公務として公的行為がある。国会開会式への出席や宮中晩餐会などが挙げられる。
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