日本での研究・団体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 22:25 UTC 版)
日本における児童文学の学問的研究は体系的に整備されているとは言い難いが、白百合女子大学・玉川大学・梅花女子大学・東京純心女子大学などは専門の学科・研究科を擁している。また他の大学・短大も、何らかの形で児童文学関連の講座を設置しているところが多い。なお、教育系の学部・学科においては、幼児教育や児童学と関連づけられる場合がほとんどである。 児童文学など児童書関連が公開されている資料センターとして国際子ども図書館(東京・上野公園内)と大阪府立国際児童文学館(大阪府立中央図書館内)がある。国際子ども図書館は国立国会図書館の児童書関連を移管して2000年に開館した(全面開館は2002年)。大阪国際児童文学館は1984年に鳥越信氏の蔵書12万点のコレクションをもとにマンガ、紙芝居などを含めた児童文化の資料館・研究施設として開館した。両者の資料点数は拮抗しているが、研究・レファレンス及び収集方針の専門員による差異により、貴重本の収集や資料保存方法などでは大阪の方が充実している。例えば、国際子ども図書館では、旧来の図書館としての保存方法で、カバー・帯の廃棄や保存カバー・バーコードの装備で資料が変形されたり、雑誌が合本化されて閲覧しにくく資料性が欠損したりしている場合がある。一方、大阪国際児童文学館では、1点ずつの個別保存で雑誌の合本化もなく付録も貴重な児童文化財として保存している。 児童文学者の団体としては、1946年に児童文学者協会(後の日本児童文学者協会)が設立され、1955年に日本児童文芸家協会が成立した。それぞれ機関誌として「日本児童文学」、「児童文芸」を刊行している。他に児童書のイラストレーターの団体として日本児童出版美術家連盟(童美連)があり、この三者に日本書籍出版協会の児童書部門を含めた通称“四者懇”があり、児童書をめぐる著作権等の諸問題について協調して行動している。 また、研究者の団体としては、日本児童文学学会や英米児童文学学会があり、読書運動では、親子読書地域文庫全国連絡会(機関誌『子どもと読書』)などがある。
※この「日本での研究・団体」の解説は、「児童文学」の解説の一部です。
「日本での研究・団体」を含む「児童文学」の記事については、「児童文学」の概要を参照ください。
- 日本での研究・団体のページへのリンク