日本での実施について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 03:17 UTC 版)
「ロックダウン (政策)」の記事における「日本での実施について」の解説
「憲法改正論議」も参照 2020年以降の日本における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に際しては、2020年4月に安倍晋三内閣総理大臣(以下、安倍総理)が改正・新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき初の緊急事態宣言を発令した。ただし、諸外国のような行動制限を制定し、違反者に刑罰を与えるロックダウンは日本では行われていない。日本国政府からは「外出自粛要請(お願い)」の形で行われており、罰則や強制力が伴っていない。 安倍総理は2020年4月1日の参院決算委員会で「緊急事態宣言がただちにロックダウンというものではない。フランスがやっているようなロックダウンが(日本で)できるのかといえば、それはできない」と述べた。また、菅義偉内閣総理大臣は、「外出の制限をする法律は、国民の理解をいただかないと難しい」「感染対策の決め手とはならず、各国ともワクチン接種を進めることで日常を取り戻している」として慎重な姿勢を見せている。一方で全国知事会や高市早苗、河野太郎は、ロックダウンを含めた法整備を検討すべきだと主張している。 日本国憲法上、強制力を伴うロックダウン等の措置ができるか否かについて、大和大の岩田温(いわた・あつし)准教授(政治学)は、日本では強制力を伴う措置ができないという立場から、「日本国憲法に国家緊急権が規定されていないことが背景にある」とし、「立憲主義の観点から私権制限には慎重な判断が必要」とした上で、「憲法を守るより、国民を守る政治的判断がより重要となる局面はあり得る。これを機に、憲法に例外的な緊急事態条項を設ける議論をすべきだ」とする。これに対し、東京都立大の木村草太(きむら・そうた)教授(憲法)は、「憲法を変えずとも強い措置は可能」との考えを示し、科学的根拠があって基本的人権に配慮した感染症対策は、現行憲法は禁じていないとした上で、「憲法上の個人の権利と統治機構のルールを守った上で法整備し、行動規制すればいい。改憲論議と結びつけるのは違う」と論じた。
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