方向別複々線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:47 UTC 版)
同じ方向への列車が隣り合って走行するため、間に島式ホームを設置することで、同方向の列車の対面乗り換えが可能となる。緩急分離運転を行っていれば、速達列車と緩行列車の連絡は容易になる。旅客にとっては便利な構造といえるが、後述の通り事業者側にとっては不都合な側面もある。 複線区間を途中から方向別複々線にする場合は問題にならないが、二方から複線線路が合流してできる複々線区間を線路別複々線とするには、合流部分で内側の2線を互いに交差させるか外側の1線と内側の2線を交差させなければならない。この交差部を立体交差とする場合は建設費用が大きくなり、建設自体困難な場合もあり、平面交差とする場合はダイヤ構成に制約が生じる。 また、複々線区間で外側の線路を走行する列車を折り返す場合、内側の2線を横断する必要があるため、運転上の制約が生じる。これを完全に回避する為には引上げ線の立体交差化が求められる(例:萱島駅)が、内側の線路の間に引上げ線を設ける(例:京都駅)事で制約を軽減出来る場合もある。 可動式のホームドアが設置されていない駅において急行線を走行する列車に通過列車と停車列車が混在する場合、急行線に面するホームを完全に壁や柵で塞ぐ事は出来ない為、混雑時は安全上の懸念が生じる。但し、一部の時間帯だけ急行線のホームが使用され、大半の時間帯が全列車通過となる路線において、当該急行ホームにロープを張って安全性を高めているケースもある(JR京都線・JR神戸線など)。 なお、1970年代以降にラッシュ緩和を目的とした複々線は方向別が多い。
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