方向切換器と戸閉制御切換装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/09 09:25 UTC 版)
「車掌スイッチ」の記事における「方向切換器と戸閉制御切換装置」の解説
列車を運転する際には車両の前後を認識させ、車掌スイッチの操作は後部車側でしか操作できなくすることが多い。これは運転台にある「方向切換器」という装置で切り換え、位置は「前・中・後」がある。通常の運転時には進行方向側を「前」、後部側を「後」位置に合わす。これによって各機器の機能が切り替わる。なお、鉄道事業者によっては運転切換スイッチや戸閉切換(とへいきりかえ)スイッチ、前後切換スイッチと呼ぶ場合もある。 また、ワンマン運転を行っている路線では折り返しの際に、この操作をするのは手間がかかり、誤操作のおそれもある。このためマスコンキーの挿入した側を「前」方向と認識させる。このための装置として「戸閉制御切換装置(とへいせいぎょきりかえそうち)」を両先頭車の床下に搭載する。 これは前述した前後認識のほかワンマン・ツーマン切換スイッチの操作で運転台戸閉手元スイッチおよび側車掌スイッチの操作を制限させる機能がある。さらにATO送受信装置(情報伝送装置)とのインタフェースによりホームドアと車両ドアを連動して制御させる機能がある。特にこの装置を採用した場合、方向切換器の省略が可能となることから、ツーマン運転の路線でも導入している場合もある。 なお、事業者や路線、車両形式によっては、編成中間の運転台付き車両や先頭の車両でも、車掌がドア開閉をできるようにしている場合もある。特急列車などの車内改札では進行方向に対して前から後ろに、乗客に対面で対応する方がよいとする事業者の中には、車掌による始発駅でのドア開閉を先頭の運転室で行う事業者もある。他の例では、ホームが短く1両分はみ出して停車する際、上り列車も下り列車も(踏切のない側など)同じ側に1両はみ出す関係で、先頭側がはみ出す場合では、運転士が「他ノ戸」のスイッチを操作する事業者もある。
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