新酒、古酒・秘蔵酒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 15:45 UTC 版)
日本酒は、毎年7月から翌年6月が製造年度と定められており、通常は製造年度内に出荷されたものが新酒と呼ばれる。しかし最近は、上槽した年の秋を待たず6月より前に出荷する酒に「新酒」というラベルを貼って、ひやおろしから差別化して新鮮さをアピールする酒が増えたために、「新酒」の定義に混乱が生じつつある。 冬から春にかけては「しぼりたて」「新酒」「生酒」などとして、フレッシュさを売り物にする酒蔵や酒販店、飲食店も多い。新酒の鮮度を強調した売り方としては、酒蔵や酒販店でつくる日本名門酒会が1998年から、立春の2月4日に合わせて「立春朝搾り」の出荷を始めている。未明から上槽と瓶詰めを行い、蔵によっては縁起物として近隣の神社で無病息災や家内安全の祈祷をしてから出荷する。2018年は34都道府県の43蔵元が参加し、約31万本を搾る予定である。 逆に製造年度内でなく、貯蔵期間を経た後に出荷・提供する日本酒を熟成酒、古酒、古々酒または秘蔵酒と呼ぶこともある。酒がメイラード反応により褐色に変わるまで長期保管したり、赤ワインやシェリーを入れていた樽に入れて香りを移したりする酒造会社もある。酒販店や飲食店が仕入れた日本酒を寝かせて古酒にするケースもある。蔵元によっては、西洋のワインにおけるヴィンテージという考え方を導入し、ラベルに酒の製造年度を明記している。熟成することによって味に奥行きが出るように造るこうしたヴィンテージ系日本酒は、熟成期間の長いものでは20 - 40年間にも及ぶ。酒造会社などでつくる長期熟成酒研究会は「満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」を熟成古酒と定義している。
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