新しい技術とテクノロジー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 04:42 UTC 版)
「木口木版」の記事における「新しい技術とテクノロジー」の解説
19世紀半ばまでに、金属に木版の印版を再現できるエレクトロ・タイピング(:en)が開発された。これは木版を石膏で型取りして鉛の金属印版を鋳造するもので、この方法により、木版画を大量に複製(最大10万部)することができ、オリジナル木版の摩耗を防ぐことができた。 それまで、彫版に携わる版画家は木材の表面に直接絵を描くか写す必要があり、オリジナルのアートワークは版画家たちによって破棄されていた。しかし、版画家のトーマス・ボルトンは、1860年に写真をブロックに転写する方法を考案した。 ほぼ同時期に、フランスの版画家はクロスハッチング(ある角度で別の平行線と交差する平行線)をほぼ完全に消去する修正技術(部分的にビウィックの技術に帰する)を開発した。しかし、その代わりにあらゆる色調のグラデーションが、さまざまな太さと近さの白い線によって表現され、最も暗い粒子に分解されることもあった。この技法は、ギュスターヴ・ドレの後年の木版画に登場する。 19世紀末にボルトンの「木版の写真製版」のプロセスと、フランスの学校で始められた技術者養成により、線ではなく水彩で図面を再現する技法が生み出され、木版画に新しい技術がもたらされた。 これは、1890年代の『ストランド・マガジン』のイラストに示されている。20世紀に入ってハーフトーンのプロセスが改善されると、この種のリプロダクションは時代遅れとなったが、それほど洗練されていない形で、1930年頃まで広告や貿易カタログに使われた。 これらの伝統的な技法と新しい技術とが両立し、1800年代後半にはジョセフ・クローホール2世や、ベガースタッフ・ブラザーズなどによって木版画は創造的で自由な発展を遂げた。ティモシー・コールなどは伝統的なタイプの木版画家であり、『センチュリー・マガジン』などの雑誌からの依頼で美術館の絵画のコピーを作成している。
※この「新しい技術とテクノロジー」の解説は、「木口木版」の解説の一部です。
「新しい技術とテクノロジー」を含む「木口木版」の記事については、「木口木版」の概要を参照ください。
- 新しい技術とテクノロジーのページへのリンク