新しい挑戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/10 01:30 UTC 版)
復帰後のモローは、チャリティー公演の企画や自身による振付にも取り組み始めた。メキシコ人ピアニストのジョルジュ・ヴィラドムスと組んで、ニューヨークやジュネーヴなどでチャリティー公演を企画し自らも出演した。モローとヴィラドムスとの出会いは、2011年のスイスで開催されたサマーフェスティヴァルであった。ヴィラドムスのピアノに「自分と同じ芸術的ヴィジョン」を感じ取ったモローは、「2人の世界を向かい合わせたら面白いことができそうだ」と感じたという。 モローはヴィラドムスの関わっているチャリティー活動にも、賛意を表している。彼は「ジョルジュは若いながら財団を立ち上げ貧しい子どもたちを助けている。自分もアートを通して誰かの力になれれば喜びが倍になる」とその意気込みを語っていた。 2016年1月には、日本でも公演を開催した。『月夜に煌めくエトワール』と銘打たれたこの公演には、モローとヴィラドムスの他にパリ・オペラ座バレエ団からマチュー・ガニオとドロテ・ジルベールが参加し、日本人ヴァイオリニストの三浦文彰も共演した。公演は、19世紀オーストリアの詩人ヨハン・ガブリエル・ザイドル(de:Johann Gabriel Seidl)の詩『月に寄せるさすらい人の歌』を意識して構成された。 モローは企画にあたって月について調べるうちに、古事記などに登場する月神「月読」の存在に行き当たった。モローは日本人ダンサーで振付家の中村恩恵の「優美で自然な踊り」を思い出したといい、彼女に振付を委嘱して日本への賛辞を表現する新作「ツクヨミ」を創作した。その他にも、自身やパトリック・ド・バナが振り付けた世界初演作品を取り上げている。
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