文字のない小説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/30 17:16 UTC 版)
ウォードはとりわけ物語のすべてをドラマティックな木版画の連続によって表現する「文字のない小説」によって知られている。最初の作品『Gods' Man』 では、アール・デコと表現主義の折衷様式で一人の芸術家の自分の技術に対する苦悩、誘惑に続いて起こる金と権力の濫用、そして無垢の世界への脱出を表現している。ウォードは文字を用いない映像的な物語を発想したという点において、彼の先駆者であるヨーロッパの芸術家フランス・マシリールやオットー・ニュッケルとともに認知されている。ウォードの「文字のない小説」は大不況の時期を越えて影響力を持ち続け、その作品はビート・ジェネレーションの詩人アレン・ギンスバーグの重要なインスピレーションの源泉のひとつにもなった。またその業績はアメリカンコミックス史の文脈からも評価を受けている。 ウォードの木版による「文字のない小説」は以下の6タイトルがある。 Gods' Man (1929) Madman's Drum (1930) Wild Pilgrimage (1932) Prelude to a Million Years (1933) Song Without Words (1936) Vertigo (1937) このほかに死の年まで制作を続けた未完のものがあり、完成していた木版26枚(計44枚となるはずであった)を使って2001年に125部限定版で『Lynd Ward's Last, Unfinished, Wordless Novel』として出版。また子供向け「文字のない読み物」の『The Silver Pony』(日本語訳『白銀の馬』)という作品は、文字のない小説から離れていたウォードが再び手がけ始めた頃に制作しており、木版ではなく白黒にグレーの影をつけたペイント画で描いた。
※この「文字のない小説」の解説は、「リンド・ウォード」の解説の一部です。
「文字のない小説」を含む「リンド・ウォード」の記事については、「リンド・ウォード」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書から文字のない小説を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- 文字のない小説のページへのリンク