救助活動と復旧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 14:04 UTC 版)
「グレート・ノーザン鉄道ウェリントン雪崩事故」の記事における「救助活動と復旧」の解説
救助隊員たちは吹きつける雨の中で救助作業を開始したが、作業は困難をきわめた。降雨のせいで雪崩による2次災害の危険性が増大し、列車の残骸などは固くなった雪にすっかり覆われていた。救助隊員たちはそれでも作業を続行し、遺体に混じって時折生存者が発見され始めた。 6時間後、合計14名が助け出された後に、鉄道員3名も助け出された。事故発生から7時間以上が経過した午前8時30分頃、救助隊員たちの耳に何かをたたく音がかすかに届いた。郵便列車の端が見つかり、そこから4名の鉄道員が無傷で救助された。その後は遺体と車両の残骸が見つかるばかりで、事故発生から12時間近くが経過した。もう生存者が見つかる望みはないと救助隊員たちが諦めかけて休息を取っていると、「小猫の鳴声のような音」が聞こえた。急いでその付近を掘り返すと、木の幹の下敷きになって息絶え絶えの状態の婦人が発見された。この婦人が最後に発見された生存者で、合計22名(乗客8人、鉄道職員及び労働者14人)が救助された。 救助の本隊は、午後1時にシーニックの街に到着した。全遺体の収容作業を完了したのは3月8日または9日であったが、雪解け後にさらに1名の遺体が発見されて死亡者の総数は96名(乗客35人、鉄道職員及び労働者61人)を記録した。網谷は『事故の鉄道史』で「航空事故並みの高い犠牲者の比率」と指摘している。この事故はアメリカ合衆国における雪崩事故被害の最悪のものとなった。 不通になっていたグレート・ノーザン鉄道の路線は、3月9日にウェリントン側のみ開通した。シーニック方面への開通は、3月12日にずれ込んだ。3月13日の朝、再び現場付近で雪崩が発生してロータリーが谷に転落し、1名が死亡した。なお、カナダ・ブリティッシュコロンビア州でも同年3月4日にカナダ太平洋鉄道で雪崩により63名の死者が出る事故が発生している。(1910 Rogers Pass avalanche (英語))
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