救助と復旧作業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 05:23 UTC 版)
2006年7月24日日本時間17時頃、日本から北米西海岸へ完成車を輸送中にアリューシャン列島南方約370キロメートルの海上北緯48度14分/西経174度26分付近で、船体が左に大きく60度以上に傾き航行不能となった。アメリカ沿岸警備隊へ救助要請がおこなわれ、商船三井本社には対策本部が設置された。乗組員23名(シンガポール人2名・ミャンマー人8名・フィリピン人13名)は1名が脚を負傷した以外は無事で船内待機。日本時間24日15時までにアメリカ沿岸警備隊およびアメリカ空軍のヘリコプターで救助され、アダック島へ移送された。 船体復旧と曳航のため同月28日にアメリカ沿岸警備隊・アラスカ州環境保護局・商船三井の三者による合同対策本部が設置された。無人となった船体は安定して浮揚しており、風に流されて同日中にはアリューシャン列島から約210キロメートルの距離まで接近した。アメリカ沿岸警備隊の巡視船が継続して監視をおこなったほか、同月29日午前からはアダック島から緊急派遣されたタグボートが待機した。復旧作業のためシアトルから派遣された曳船「ダッチハーバー」から派遣されたサルベージ技術者を乗せたタグボートも同月30日朝に現場へ到着した。 同月31日に沿岸警備隊のヘリコプターで技術者4名が乗船して状況の確認を行ったが、作業中の転落事故により1名が死亡。その後、現場海域の天候が悪化したため同年8月5日により海況の穏やかなベーリング海へ曳航され、同月8日からダッチハーバー港で船体の立て直しを開始、同月15日に姿勢をほぼ回復し、浸水の恐れがなくなった。 その後の点検および応急修理の結果、発電機の不調により自力航行は断念し曳航による移動となった。同年9月2日7時(日本時間)にダッチハーバーを出港、同月12日にオレゴン州ポートランド港に到着し荷役後、本格的な復旧・修理が行われた。
※この「救助と復旧作業」の解説は、「クーガー・エース」の解説の一部です。
「救助と復旧作業」を含む「クーガー・エース」の記事については、「クーガー・エース」の概要を参照ください。
- 救助と復旧作業のページへのリンク