放送停止まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 07:25 UTC 版)
2015年秋になり、中国大陸で放送事業を営む資産家が、新たな出資者となることが発表された。給与支払いの度重なる遅延が発生し、報道部員の退職によって人員不足が生じた結果、2015年9月には、朝・昼のニュース番組放送を中止していたが、給与が支払われたことで、放送を再開した。 出資者は一旦切れる放送免許をあらためて取得して放送再開を目指すとしたが、その後も状況改善には至らず、2015年末に再び給与支払い遅延が発生した。その後も状況改善しないまま、農暦新年直前の2016年2月6日からは、全てのニュース番組が放送中止になり、放送条例に違反する状態が発生した。社員(所属タレントを含む)の多くがこの時点で退職し、社員は400人程度に落ち込み、番組制作が困難になった。 2月20日になって、夜のニュース番組のみ放送再開したが、このころには、元の出資者から早期の会社清算を求める訴えが法院に提出され、審理されることとなった。弁護士からは、亞州電視の銀行口座には27万香港ドルしか残っておらず、これ以上の放送継続は困難との声明も出された。 3月3日に、関係者が出廷して法廷審理が行われたが、この時点では放送停止等の勧告は出されなかった。しかし弁護士からは「銀行からの新たな借金も困難となり、4月1日の免許期限までの放送は難しくなった。3月4日付けで、全社員を解雇の上、放送停止し、清算手続きに入る」と発表。3月4日には、予定通り全社員への解雇通知が行われ、18時をもって放送停止するという噂も流れたが、4月1日の免許期限まで放送が続けられるよう、出資者が追加出資を行う方針を発表した。会社に残留している社員によって放送は継続された。 4月2日午前0時、停波。放送を終了し、59年の歴史に幕を閉じた。停波に際しては、放送終了のメッセージなども表示されないまま、放送中の番組が突然放送中断される形で、あっけない幕切れであった。 香港におけるテレビ放送局の倒産・放送停止は佳藝電視に続いて2局目で、世界的に見ても珍しい事例となった。 亞洲電視が使用していた周波数は、4月から放送を開始した『香港電視娯楽(ViuTV)』と、香港電台(RTHK)が使用している。
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