放射線の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 03:28 UTC 版)
農業や工業の領域においては、放射線の性質(1.透過する性質、2.生物学的作用、3.化学的作用、4.電離・励起作用など)を上手に利用した様々な技術や製品などがある。以下、各性質ごとに利用例を示す。 1. 透過する性質 X線撮影、非破壊検査 放射線の一種である X 線を用いた撮影は医療分野、工業分野 等においても非破壊検査の一つの手法として利用されている。 2. 生物学的作用 放射線滅菌、輸血用血液への放射線照射 放射線の生物作用は、医療衛生器具の殺菌・滅菌処理の一つの手法として利用されている。特にプラスチック製品に対してコバルト60からのガンマ線照射が用いられている。 発芽防止、品種改良、不妊虫法 動植物の品種改良の手法として放射線障害の遺伝的影響が利用されていることもある。食品分野においては植物の品種改良に放射線照射が利用されており、また農業分野においては不妊虫放飼法を使った農業害虫駆除に利用されている。 3. 化学的作用 電子線架橋技術 高分子のプラスチックやゴムなど有機材料にガンマ線や電子線を照射すると、分子鎖の間で結合する反応(架橋)や分子鎖が切れて小さな分子になる反応(切断)が起こる。 4. 電離・励起作用 火災報知設備の煙感知器の中には、アメリシウム241のアルファ線を用いている製品もある。
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