放射線の副作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 06:21 UTC 版)
「テクネチウム99m」の記事における「放射線の副作用」の解説
99mTcを用いた診断治療は、技術者、患者、通行人に放射線被爆を齎す。SPECT検査などの免疫シンチグラフィー検査に投与されるテクネチウムの典型的な量は、成人で400から1、100MBq(11から30mCi)である。これは、胸部X線検査の約500回分に相当する10mSv(1000mrem)程度の放射線量に相当する。このレベルの放射線被曝は、患者が固形癌や白血病を発症する生涯リスクの1000分の1に相当する。このリスクは、若年層では高く、高齢層では低くなる。胸部X線検査とは異なり、放射線源は患者の体内に有る為、数日間は自分が放射線源となり、他の人が副次的に放射線を浴びる事になる。この間、常に患者の傍に居る配偶者は、患者の1000分の1の放射線量を受ける事になる。 同位体の半減期が短い為、データを迅速に収集する事が可能である。また、この同位体はガンマ線を放出するものとしては非常に低いエネルギーレベルにある。エネルギーが約140keVである為、他のガンマ線放出核種と比較してイオン化が大幅に減少し、より安全に使用する事が出来る。99mTcのガンマ線のエネルギーは、市販の診断用X線装置の放射線量とほぼ同じであるが、放出されるガンマ線の数が多い為、放射線量はコンピュータ断層撮影の様なX線検査に匹敵する。 99mTcは、利用可能な他の同位体よりも安全性が高いという特徴がある。ガンマ崩壊モードはカメラで簡単に検出出来る為、少量で使用可能である。また、99mTcは半減期が短い為、放射性物質の量が遥かに少ない99Tcに速やかに崩壊し、投与後の初期活動量当たりの患者の総放射線量は、他の放射性同位元素と比較して少ない。これらの医療検査で投与される形態(通常は過テクネチウム酸塩)では、99mTcおよび99Tcは数日以内に体外に排出される[要出典]。
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