改宗の背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/18 12:10 UTC 版)
人が改宗する背景には様々な理由がある。純粋に個人の宗教的な動機から改宗する場合もあるが、時の支配者や政府によって強制改宗させられる場合もある。江戸時代から明治初期の日本においては、人々は強制的に寺の檀家に組み入れられ、キリシタンなど禁制の宗教には激しい弾圧が加えられ、多くの人々が自分の宗教を捨て、仏教へと改宗させられていった。また、スペインの歴史においては、それまでのイスラム教徒からキリスト教徒による支配に代わった際に、同国内のイスラム教徒、ユダヤ教徒達に対し、強制的に改宗を迫るということがあった。 また、強制でなくとも、時の政策が改宗を後押しする(それが目的でなかったとしても)場合もある。イスラム教徒の支配地域では、歴史的にキリスト教徒やユダヤ教徒らに対し、ジズヤという税金を課した上で信教の自由を認めていることも多かったが、税金の負担を嫌い、イスラム教徒に改宗する者が後を絶たなかったという。 また、弾圧などを恐れて、改宗したように装いながら、実際はそれまでの信仰を継続しているという場合もある(例:日本の隠れキリシタンなど)。 民主主義社会では、信教の自由を認めることは必須用件である。法的には信教の自由がある以上改宗すること自体は全く自由である。しかし一方で、いわゆる先進国と言われる国でも、その社会ではマイノリティにあたる宗教に改宗した者に対して、コミュニティから異端視され排除されたり、不当な差別を受け、重大な人権侵害に到るケースもある。
※この「改宗の背景」の解説は、「改宗」の解説の一部です。
「改宗の背景」を含む「改宗」の記事については、「改宗」の概要を参照ください。
- 改宗の背景のページへのリンク