採取と飲用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/23 09:35 UTC 版)
一般に開花期である7 - 8月頃に根を除いて刈り取り、洗って十分水気を除いて、天日で乾燥させたものが生薬になり、ゲンノショウコと呼んでいる。日本薬局方では茎・葉をゲンノショウコ、その粉末をゲンノショウコ末という。若葉のころは、トリカブトやキンポウゲ類の有毒植物に似ているため注意するが、夏の開花期であれば花で確認できる。 優れた健胃・整腸作用を持ち、下痢、便秘、食あたり、慢性の胃腸疾患に効能があり、時間をかけて十分煎じることで薬効成分が抽出される。下痢止めとしては、ゲンノショウコ1日量10 - 20グラムを約500 - 600 ccの水で煎じ約半量まで煮詰めたものをさらに濾して、温かい状態で1日3回分けて服用する方法が知られている。下痢に使用するときは、なるべく量を多くした方が良いと言われ、便秘に使用するときは、1日量5 - 10グラムと量を減らして煎じ服用するとされる。冷えた煎じ汁は、整腸薬となる。扁桃炎、口内炎、のどの痛みには、煎じ汁をうがい薬として使用することが知られている。湿疹やかぶれには、煎じ液を冷まして冷湿布に用いられる場合もある。慢性的な胃腸の弱い状態などではお茶代わりに飲用する場合もある。利尿目的の場合は、1日10 - 15グラムを、500 ccの水で、5 - 10分煎じ、3回に分けて食間に服用する。高血圧予防には、ゲンノショウコ10グラム、ドクダミ10グラム、少し炒った決明子5グラムを煎じて常用すると効くとされる。また、ゲンノショウコ100グラム、ヨモギ100グラムを混ぜて浴湯料として使ったゲンノショウコ風呂は、冷え性、しぶり腹に効くとされる。 下痢、便秘に使用するのは日本独特の使い方で、中国ではこのような症状には使用されていなかった。中国には日本のゲンノショウコはないが、キクバフウロ、ミツバフウロ、イチゲフウロなどを老鸛草(ろうかんそう)と称して、神経痛に用いる。
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