指輪戦争における役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/04 03:23 UTC 版)
「パランティーア」の記事における「指輪戦争における役割」の解説
指輪戦争の時点において使用可能であった石は、(エミン・ベライドの石をのぞけば)オルサンク、イシル、アノールの石である。それぞれ、サルマン、サウロン、デネソールが使用した。この中で石の「正当な使用者」はデネソールのみである。元々一般に知られた物品でなく、さらにオルサンク、アノールの両方の石とも公には長い間使われていなかったので、ほとんどの人間には存在が知られず、サルマン以外の賢者も存在やイシルの石がサウロンに奪われている可能性があることは知っていたものの、その重要性を過小評価していた。 サルマンとサウロンは、それぞれの石を使用して連絡を取っていた。一例として、パルス・ガレンにおいて、指輪の仲間に対し、アイゼンガルドとモルドールの軍勢が合同で襲撃した。 角笛城の合戦のあと、グリマがオルサンクの塔から投げ落としたことにより、オルサンクの石はガンダルフが回収することとなったが、石に魅入られたペレグリン・トゥックが先駆けて石を(偶然正しく設置して)覗き、意図せずイシルの石と通信した。しかし、イシルの石の使用者であるサウロンは状況を正しく判断することができず、短時間でペレグリンを解放したため、ほとんど情報を得ることができなかった。ガンダルフは石がパランティーアであること、サルマンとサウロンがこれによって連絡していたことを悟り、アノールの石で同様にゴンドールの執政デネソールがサウロンに支配されていないか疑念を抱き、オルサンクの石をアラゴルンに預けてミナス・ティリスへ向かった。 アラゴルンは預けられたオルサンクの石を使い、サウロンの焦りを誘うために、イシルの石に向けて、これまで隠してきた自身の存在を明らかにし、挑戦した。同時にオルサンクの石によって、ゴンドールが南からも襲撃されることを知り、北方の野伏と共に死者の道を通り救援に向かった。 ゴンドールの執政デネソールは度々アノールの石を使用していた。その用途は通信ではなく、ゴンドールや周辺における情報収集であったが、イシルの石を持ったサウロンと対峙することもあった。パランティーアは王または王から任じられた使用者によく従う性質を持っていたため、ゴンドール王の代行者たる執政であるデネソールはサルマンのようにサウロンに支配されることはなかったが、サウロンとの対峙は、通常の使用における緊張とは別に多大な精神的疲労を伴い、さらにサウロンはデネソールが見るものをある程度誘導することができた。デネソールは強い精神によって石の使用による精神的負担に耐えていたが、やがては心を消耗させていった。 ペレンノール野の合戦において、息子のファラミアが重傷を負ったことで動揺した状態で石を覗いたデネソールは得た情報を誤って解釈することによって絶望し狂気に陥った。デネソールはアノールの石を持ったまま焼身自殺し、以後、アノールの石にはデネソールの焼けた手しか映らなくなってしまった。
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