持続化給付金事業の受託をめぐる批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 00:12 UTC 版)
「サービスデザイン推進協議会」の記事における「持続化給付金事業の受託をめぐる批判」の解説
2019年新型コロナウイルス感染症の流行に伴う経済産業省外局中小企業庁による持続化給付金事業を、サ協がおよそ769億円で受託し電通におよそ749億円で再委託していた。電通から電通ライブ、電通テック、電通国際情報サービス、電通デジタル、電通東日本などに再々委託し、さらに電通ライブからはパソナ、大日本印刷、トランスコスモス、テー・オー・ダブリューなどに再々々委託していた。その丸投げの過程で電通本体だけでおよそ104億円あまり、電通グループ子会社6社を含めると少なくとも154億円あまりの緊急支援的意味合いのある公金ないし税金が大規模に"中抜き"されていたことが報じられ、国会審議などで波紋を呼び起こしている。 これは、キャッシュレス・ポイント還元事業におけるキャッシュレス推進協議会(以下「キ協」)を媒介にした構図等と同じであり、この入札ではサ協はキ協に敗れたが、結局キ協から電通を主な再委託先にすることに変わりはなかった。 実態の無い「代表理事」 なお「代表理事」の笠原英一は、共同通信の取材に対して「この案件(=「持続化給付金」)の執行権限がなく、細かいことは分からない。元電通社員の理事に委任している」と答えた。なお、TBSの番組サンデージャポンが当団体で「代表理事」として名前が挙げられている笠原英一に直接、電話取材を行ったところ、当の笠原英一は『私はあくまで「お飾り」です』、『私は、サービスデザイン推進協議会が持続化給付金の仕事を受注していたなんて、全然知りませんでした』と答えた。 決算公告の不開示 当団体(サ協)は、法律でやらなければいけないと定められている決算公告の開示を、設立以来(2020年夏まで)ただの一度も行っていなかった。 経済産業省との関係 経済産業省の事業を請負い、経産官僚前田泰宏がテキサス州オースティンで主催したパーティーに、サ協の役員理事らが参加していた。同サ協の平川健司業務執行理事は、2019年まで電通社員で経産省とのパイプ役だったとされている。同サ協が受注した事業はすべて経産省商務情報政策局サービス政策課からで、前田はその担当大臣官房審議官であった。その後中小企業庁長官として2020年持続化給付金事業を所管している。 ビルに入居する他の公共事業の受注者 サ協事務局が入居するビルには、他にも「中心市街地再生事業事務局」「農商工連携等によるグローバルバリューチェーン構築事業事務局」、「商店街インバウンド促進支援事業事務局」、「ふるさと名物開発応援事業事務局」(全て経済産業省の6事業)が入居し、野党からは「電通の“公共政策部”だ」と批判する声が上がっている。 持続化給付金事業における入札不適格 持続化給付金事業の入札調書では、サービスデザイン推進協議会は「C」等級であるのに対し、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社は「A」等級であった。競争参加者資格審査事務取扱要領)によると、等級Cの企業が入札に参加できる事業規模は300万円以上1500万円未満であり、700億円超の持続化給付金事業に入札する資格を有さない。サービスデザイン推進協議会がデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に競り勝った理由は明らかにされておらず、国会でこの問題を追及してきた立憲民主党の川内博史衆議院議員は「官製談合の疑いが極めて強い」と指摘している。
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