折畳ラック型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 15:41 UTC 版)
このタイプは、上下を仕切る床部位の高さを自動車輸送用のキャリアカーと同様に、自由に変えることが出来る。このため、前項の固定型のように、背高車種の2段積みができないなどの積載制限も、コンテナ本来の最大高または、輸送地域の最大地上高を超えない限り受けずに済む。さらに、積荷が無く不要になったとき(いわゆる、空コン状態)は、人力で折りたためば、#フラットベッド・コンテナのような薄い1枚の板状になるので、複数個で輸送して返送する場合は、これらを折りたたんでまとめて一個のドライコンテナのような状態で返送出来るので、返送コストが大きく節約できる利点も備わっている。またコンテナヤードでは、輸送時のような高さ制限をほとんど受けないので、多段積みすれば実質的な占有敷地面積も大幅に抑えることが出来る。難点は、構造が複雑ゆえに輸送中に必ず受ける衝撃や、接触リスクにより故障が発生しやすいことが避けられず、維持管理費が比較的掛かるほか、組み立てや折りたたみ時に、人手と作業時間が多少かかる。 変り種としては、いわゆる折りたたみ式の#フラットラック・コンテナを応用した事例もある。通常の2段積みでは、構造も複雑で、積載台数も殆どの場合が縦列駐車状態で、4台程度が限界であるが、フラットラックタイプでは、発想の転換で横向きに積載するために、常時6台を積載できる。コンテナ自体の構造も比較的簡易なので、損傷も受けにくく、作業も比較的簡単である。また2段積みタイプと同様に、両妻壁側が倒れるので、段積みでまとめて返送も出来る。ただし、最大の欠点として真横に積載するために、輸送中で4 m強の車幅を必要とするので、当然ながらこの状態で輸送できる道路環境が必須条件となる。また積荷の特性上、コンテナ船での積み込み場所は、波しぶき等を受けにくい船倉にほぼ限定される。このために、たとえば2個を輸送する場合には、ベースとなる下部のコンテナスペースとして、5個分の積載スペースを必要とするので、当然ながら積載効率も悪くなるので、これに対する割増料金の課金は免れない。このように積荷自体が特殊なものなので、カー・ラック・コンテナの利用できる航路も地域も限られてくる。
※この「折畳ラック型」の解説は、「海上コンテナ」の解説の一部です。
「折畳ラック型」を含む「海上コンテナ」の記事については、「海上コンテナ」の概要を参照ください。
- 折畳ラック型のページへのリンク