抗生物質(細菌に対する)の使用経験則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/14 15:25 UTC 版)
「化学療法 (細菌)」の記事における「抗生物質(細菌に対する)の使用経験則」の解説
ここに記された内容は一般的な例を示しているが、抗生物質の種類や、人体の肝機能・腎機能、菌の耐性化などによってはこの経験則は当てはまらないので注意が必要である 感染症は例外を除いて一つの臓器に一つの菌が増殖して発生すると考える。 原則として1剤投与から始める。ただし、抗結核薬は多剤併用が基本である。 投与方法はペニシリン・セフェム系抗生物質では、経口投与なら1日3回、点滴静注なら1日2回、筋注なら1日1回が多い。(time over MICを長く維持するため) (近年は、より投与回数の少ない抗菌薬が開発・発売されている)。 生理食塩水または5%ブドウ糖液100ml(50ml)に溶解し、滴下する。水分が少ないので輸液療法に影響することは少ない。配合変化を避けるため、他の薬剤は混和しない。心不全などで塩分制限が必要な患者の場合は生理食塩水100mlで1g程度のナトリウムを与えてしまうので5%ブドウ糖液を用いたほうがよい。 抗菌薬では皮内反応テストは、ガイドラインに沿って、行われなくなりつつある 菌感受性試験の結果が出る前に抗菌薬の投与開始が必要になるケースが多いため、施設ごとに菌の特性を把握しておかなければならない。 効果不十分と感じたら、別系統もしくはより強力な抗菌薬に変更する。 例外を除いて感染症は悪化か改善のどちらかの経過しかなく、抗菌薬を投与しても変化なしということはありえない 培養で出てきた菌を全て治療対象とする必要はない 一般的には、最初から強力な抗菌薬を使用することは耐性菌の出現を生むため好ましくない。ただし、結核やハンセン病など、治癒を困難とする一部の細菌に対しては、最初から強力な抗菌薬を使用する必要がある(逆に弱い薬を使うと、長期に抗菌薬を使うことが見込まれるため、耐性菌を生じやすくなる)。 長期投与は望ましくない。原則として2週間とし、効果がないようなら抗菌剤の種類の変更を検討する必要がある。保険診療も2週間までである。 周術期管理の術後投与は3日位を目安に投与する。
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