抗合成酵素症候群
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筋原性変化が認められる。筋束辺縁部に壊死・再生線維が分布する筋束辺縁部壊死(perifascicular necrosis)、筋周鞘の結合組織断片化、筋周鞘のアルカリホスファターゼ活性発現が特徴的である。抗Mi-2抗体陽性皮膚筋炎での所見と酷似するが免疫染色の所見は大きく異なる。抗合成酵素症候群では筋線維にMxAの発現が認められない。またHLA-ABCが比較的強く発現し、HLA-DRが発現する筋線維を認めることもある。抗合成酵素症候群ではⅠ型インターフェロン経路ではなくⅡ型インターフェロン経路の亢進が示唆されている。
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抗合成酵素症候群(anti-synthetase syndrome、ASS)
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抗アミノアシルtRNA合成酵素(aminoacyl-tRNA synthetase、ARS)抗体陽性の筋炎例を総称して抗合成酵素症候群(anti-synthetase syndrome、ASS)または抗ARS抗体症候群と呼ぶ。抗ARS抗体は理論上のものを含め10種類が知られている。抗Jo-1抗体、抗OJ抗体、抗PL-7抗体の頻度が高い。臨床的には、筋炎に加えて間質性肺炎、メカニクスハンドなどの皮膚症状、多発関節炎、発熱、レイノー現象などを合併する。抗合成酵素症候群の間質性肺炎は抗MDA5抗体陽性例で典型的に認められる急速進行性間質性肺炎と異なり慢性に経過することが多い。皮膚筋炎では多発関節炎やレイノー現象を認めることは稀であり鑑別に有用である。筋症状は抗Jo-1抗体、抗OJ抗体、抗PL-7抗体で目立つ傾向があり、CKも高値になる。抗EJ抗体や抗PL-12抗体陽性例では間質性肺炎主体で筋炎症状は軽度であることが多い。CKも正常か、上昇しても軽度である。骨格筋MRIでは皮膚筋炎と同様、浮腫性変化は筋膜主体であることが多い。皮下にも浮腫を認めることがある。
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