微分幾何学的な意味での回転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 01:19 UTC 版)
「回転 (ベクトル解析)」の記事における「微分幾何学的な意味での回転」の解説
二重ベクトル(2-ベクトル)の集合は二次の外冪 Λ2V に対応し、これは内積と座標系をとれば歪対称行列の全体であって、幾何学的には無限小回転全体の成す特殊直交リー環 so(V) と見做される。これは ( n 2 ) = 1 2 n ( n − 1 ) {\displaystyle \textstyle {\binom {n}{2}}={\frac {1}{2}}n(n-1)} 次元であり、また無限小回転として 2-ベクトルを 1-ベクトル場の微分と解釈できるようになる。(自明な零次元の場合を除けば)三次元だけが n = ( n 2 ) {\displaystyle \textstyle n={\binom {n}{2}}} を満たすから、この場合が最もすっきりと述べられ、よく用いられる。零次元と一次元では非自明な 2-ベクトルがないから、ベクトル場の回転は常に 0 である。二次元の場合、ベクトル場の回転はベクトル場ではなく、回転角によって与えられる函数(スカラー場)になってしまう(回転角には、時計回りと反時計回りの何れを正の向きとするかという「向き」が必要である)。これはスカラー場であるが、div とは別の場であり、特に両者は互いに直交することに注意。三次元の場合は、従前の通りベクトル場の回転はベクトル場になる。一方、四次元の場合のベクトル場の回転は、幾何学的には各点において六次元のリー環 so(4) の元が対応する。 二つの座標(例えば x と y)のみに依存する三次元ベクトル場の回転は、単なる(z-方向の)垂直ベクトル場で、その大きさが(本項で例に挙げた)二次元ベクトル場の回転によって与えられるものとなることに注意。 回転を二重ベクトル場(反対称二階テンソル)と考えることは、ベクトル解析とそれに関連する物理学を高次元化するのに用いられている。
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