微分幾何学からのアプローチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 04:12 UTC 版)
「幾何化予想」の記事における「微分幾何学からのアプローチ」の解説
この予想の解決に大きな役割を担ったのはリチャード・S・ハミルトンが導入したリッチフローという偏微分方程式である。これはもともとハミルトンが熱伝導を記述するために考案したものだがシン=トゥン・ヤウが幾何化予想解決につながると考えハミルトンに研究を促したもので、19世紀の数学者グレゴリオ・リッチ=クルバストロの名を冠するのは彼が自分の弟子のトゥーリオ・レヴィ=チヴィタと共に書いた論文で導入したことに由来する、リッチフローは以後数学のみならず物理学まで広く使われることになるテンソルの概念を基盤としている。 リッチフローは前述の通りもともと熱伝導を表すものである。ハミルトンとヤウのアイディアはこれを用いて多様体の曲率を表そうというものである。しかし曲率は熱と比べて非常に複雑な対象である。ハミルトンはどんな滑らかな多様体でもリッチフローを持つことを証明した。 しかし、リッチフローには特異点という計算不可能な点を産み出すことがあるという問題があった(=リッチフローの特異点問題)。ハミルトンは解決を試み幾つかの特異点を消すことに成功はしたものの、最終的な解決はグリゴリー・ペレルマンを待つことになる。 詳細は「ポアンカレ予想」を参照
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