微分幾何学における分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/16 15:31 UTC 版)
x, y は実変数とし、滑らかな実数値函数 f(x, y) を考える(つまり f は実平面全体を実数直線へ写す写像である)。そのような滑らかな函数全体の成す空間は、定義域および終域のそれぞれにおける微分同相な座標変換という形で、平面の微分同相群および直線の微分同相群というふたつの群の作用を受ける。この群作用によってこの函数空間の全体を軌道と呼ばれる同値類に分けることができる。 そのような同値類からなる族の一つに、アーノルドの導入した記法で、非負整数 k に対して A ±k (英語版) と書かれるものがある。すなわち、函数 f が A ±k -型であるとは、それが x2 ± yk+1 の軌道に属する—つまり定義域および終域における適当な微分同相座標変換が存在して f がその形の曲線に写すことができる—ときに言う。この単純な形 x2 ± yk+1 を A ±k -型特異函数の標準形(英語版)(normal form) と呼ぶ。 注 k が偶数のとき(それを 2n と書けば)、A +2n と A −2n は一致する—実際、定義域における微分同相座標変換 (x,y) ↦ (x, −y) により x2 + y2n+1 が x2 − y2n+1 に写る—から、A ±2n を(± を省略して)A2n と書いてよい。 この分類を用いれば、尖点は、適当な整数 n ≥ 1 に対する同値類 A2n の代表元の零位集合(A ±2n -型特異曲線)によって与えられる。
※この「微分幾何学における分類」の解説は、「尖点」の解説の一部です。
「微分幾何学における分類」を含む「尖点」の記事については、「尖点」の概要を参照ください。
- 微分幾何学における分類のページへのリンク